読みもの
2021.05.20
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.61

葉先を静かにつたう雨粒を見つめる時間に——武満徹のピアノ曲「雨の樹 素描」

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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関東はもはや梅雨入りしたかのように、
雨降りの毎日です。

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お店や家々の軒先では、まるまると美しく形の整った紫陽花が並びはじめています。

我が家の紫陽花は、かなりの放任状態ではあるものの、ちょぼちょぼっと蕾をつけたと思ったら、こんにちは〜と咲いていました。

ところで、雨を題材とした音楽作品はわりとあります。

中でも、葉先を静かにつたう雨粒や、窓ガラスに不思議な曲線を描く雨粒を、時間を忘れてじっと見つめているような感覚にさせてくれるのが、武満徹(1930〜1996)の「雨の樹 素描」です。

ピアノのもつ硬質な音色を生かした、透明感あふれる作品。

不思議な間合いと、たゆたうような音型が、雨の日をゆっくり楽しむことを教えてくれるようです。

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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