レナード・バーンスタイン像に会い、明るい未来への収束を願う
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
先日、札幌に行きました。PMFという若いオーケストラ奏者のための教育的な意義をもった音楽祭のプレイベントに、ナビゲーターとして参加するためです。
「クラシックLABO♪」という新しい企画が誕生して、指揮者の原田慶太楼さんやピアニストの三舩優子さん、PMFの若きオーケストラのみなさんとコンサートマスターの郷古廉さんとご一緒し、「オーケストラのひみつ」を解き明かすという、お話あり演奏ありの楽しいステージが展開されました。
筆者のFacebook投稿より、左から原田慶太楼さん、郷古廉さん、三舩優子さん、手前が筆者
会場の札幌コンサートホールKitaraは、中島公園という、緑豊かでのんびりとした、とても素敵な公園の中にあります。
本番の前日、お散歩をしていたら、いらっしゃいました、この方が。
レナード・バーンスタイン先生(1918〜1990)! PMFを創設された、レニー先生の像が、ホールから少し歩いたところにあるんですね。
札幌の伸びやかな青空の下、レニー先生が指揮棒をもって佇んでいるなんて! ちょっとシュールなかっこよさがありました。
残念ながら今年のPMFは、コロナの影響で途中で幕を閉じてしまいました。音楽の素晴らしさを次世代へとつなげる取り組みは、これからもきっと、レニー先生が見守ってくれているはず……来年こそは、若い音楽家たちのパワーを思う存分発揮されることを願ってやみません。
今日はバーンスタインの代表作、《ウエスト・サイド・ストーリー》から「シンフォニック・ダンス」を。
有名なモチーフをよ〜く聴いていると、1曲目の「プロローグ」や8曲目の「ランブル」などに登場する三全音(増四度)という不安定な音程を用いた音型(ソ-ド-ファ♯という上行する3音からなるモチーフ)は、相対立する若者たちのエネルギーを、一方で、6曲目のトニーが歌う有名な「マリア」に登場するメロディでは、三全音の先に解決音(短二度上)を置き、明るい完全五度音程の響きへと到達(ラ-レ♯-ミ)します。これは愛し合う若者たちの心を描いているようです。
いつか、トニーとマリアが歌うメロディのように、緊張ではりつめた今の状況が、柔らかに明るい方向へと収束されますように……
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