読みもの
2020.03.28

芸術大国フランスの音楽界は、新型コロナウイルスとどう戦っているのか

全世界が新型コロナウイルスに揺れている今、芸術文化を国として保護しているフランスでは、文化施設やフリーランスのアーティストに対して、どのような救済策を打ち出しているのだろうか。パリ在住の船越清佳さんに寄稿していただいた。

船越清佳
船越清佳 ピアニスト・音楽ライター

岡山市出身。京都市立堀川音楽高校卒業後渡仏。リヨン国立高等音楽院卒。長年日本とヨーロッパで演奏活動を行ない、現在はパリ郊外の公立音楽院でピアノ指導にも力を注ぎながら、...

メイン写真:静まり返っているパリのレピュブリック広場。
写真提供:千々岩英一(パリ管弦楽団 副コンサートマスター)

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急展開した新型コロナウイルスの措置と経済支援策

フランスでも2月からコロナウイルスの影響が懸念されていたが、どことなくまだ対岸の火事といった雰囲気であった。人々のメンタリティに変化が起きたのは3月12日、マクロン大統領がテレビ演説で、保育園から大学まですべての教育機関を16日から閉鎖すると予告したときである。

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そして翌日14日の夜、フィリップ首相が、レストランやカフェ、ナイトクラブなどの商業店舗の閉鎖を宣言し、フランスはレベル3(渡航中止勧告地域)へ。これが楽天主義のフランス人たちに、状況の重大さを思い知らせる決定打となったようだ。

パリのレピュブリック広場。ことあるごとに抗議運動の集会場となり、パリジャンにとって自由と連帯のシンボルのような場所。周囲にはレストランやカフェが立ち並び、いつもは活気と喧騒にあふれる人気エリアも、今は静まり返っている。
しばしば映画のロケ地となり、パリジャンの散歩道として人気のサンマルタン運河沿いも、人影がない。
2枚の写真:千々岩英一(パリ管弦楽団 副コンサートマスター)

2018年から続いていた政府への抗議デモ〈黄色いベスト運動〉、昨年12月から2か月続いた年金改革に反対する公共交通網のストの影響で、低迷続きのフランスには新たな打撃である。

ペニコー労働相は、コロナウイルスによる学校閉鎖の影響下、テレワークが不可能な職種に就き、休業を余儀なくされた親(子どもが16歳以下)は、病欠として社会保障機関へ申請できること(雇用者は拒否不可能。基本20日間だが、延長の可能性あり)、また雇用者は被雇用者に対して一時帰休制度を実施でき、給与の84%が保証されると発表。

ル・メール財務相は、経済支援に450億ユーロ(約5兆4000億円/1ユーロ=約120円)を投入することを表明した(3月17日付)。

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