2021.11.17
編集部日記 Vol.7
深夜の特殊奏法で「整う」
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
こんにちは、編集部員Kです。
先日、小川敦生さんが『サウンド&アート展 —見る音楽、聴く形』を紹介してくださった連載の中で、ノイズ・特殊奏法について語っている部分がとても面白かった。
どんな名演も騒音になり得るし、ノイズが音楽になることもある。
意外と音が大きく、消音器もないため、集合住宅での練習はほぼ不可能なフルートという楽器を演奏しているのですが、深夜にピーヒャラ聞こえてきたら、自分だってキレます。
小川さんの記事を読んで思い出した昨夜、何年かぶりに、とある深夜練習を敢行しました。
イタリアの現代作曲家サルヴァトーレ・シャリーノの「無伴奏フルートのための《感謝の歌》」を練習するのです。
ほぼ全編、特殊奏法によるピアニッシモ、いわゆる普通の音で演奏する部分がありません。聴く人によっては、ノイズにも聴こえるかも。この密やかな雰囲気……深夜、隣上下の部屋を気にしながら練習するのがなかなか効果的(と思っている)のです。
昨夜も、バレなかった(と思う)!
そして、これは何人かの先生に言われたことでもあるのですが、特殊奏法を真面目に練習すると、普通の演奏の調子がすごく良くなるんです。普段使っていない筋肉を総動員しているから、顔がほぐれるのかな。とにかく、調子が良いです。
最近、サウナで「整う」なんて表現が流行っていますが、現代奏法で整った夜でした。
関連する記事
-
山澤慧が挑むチェロ×エレクトロニクスによる未知の音響体験や5段譜の最難曲
-
猫にシェーンベルクは弾けるのか?〜「恵比寿映像祭2024 月へ行く30の方法」
-
6時間のシェーンベルク弦楽四重奏曲全曲演奏に挑む ディオティマ弦楽四重奏団にきく
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2024.03.28
リトル・リチャード~多くのロックミュージシャンに影響を及ぼしたパイオニア
2024.03.28
4月6日にサントリーホールの無料イベント「オープンハウス」が開催!
2024.03.27
『レコード芸術』復活プロジェクト!クラウドファンディング実施のご案内
2024.03.27
角野隼斗が語るApple Music Classicalの楽しみ方
2024.03.27
ジャンヌ・ダルク~オペラにもエコーを残した「フランス救国の乙女」
2024.03.26
音楽を再生の力に! 金沢を中心に北陸で「ガルガンチュア音楽祭」が開催
2024.03.26
アンダンテ:歩くを意味する動詞andareの現在分詞! 時代と共に意味が変化
2024.03.24
音楽で結びついた夫婦・成田達輝×萩原麻未対談〜日々の営みが音楽につながる