読みもの
2018.07.25

日めくりオントモ語録/クリスティアン・ベザイデンホウト

イラスト:駿高泰子

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スタインウェイのピアノは革命的に進化していて、とても優れたものですが、つねに美しすぎる(笑)。フォルテピアノではもっと異質感が出るんです

―― クリスティアン・ベザイデンホウト「レコード芸術」2018年8月号より

テノールのマーク・パドモアとシューベルトの歌曲集《冬の旅》をフォルテピアノで録音したベザイデンホウト。シューベルトが表現したかった無垢であると同時に複雑で、語りかけるような表情のためには、より直接的で親密なコミュニケーションが必要であるといいます。スタインウェイの美点は理解しつつ、フォルテピアノで演奏することによって、響きの色が変わるとも語っています。

シューベルト:《冬の旅》 ~ 「おやすみ」

マーク・パドモア(テノール) クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ)

クリスティアン・ベザイデンホウト (Kristian BEZUIDENHOUT 1979-)

1979年ドイツ系オランダ人の両親のもと、南アフリカに生まれる。オーストラリアで勉強を始め、イーストマン音楽学校を最優秀の成績で卒業し、現在はロンドン在住。レベッカ・ペニーズにモダン・ピアノを習った後、アーサー・ハースにチェンバロ、マルコム・ビルソンにフォルテピアノ、ポール・オデットに通奏低音を師事。この間に、アメリカとヨーロッパでバロック・オペラ公演の通奏低音奏者としてかなりの経験を積む。
フライブルク・バロック・オーケストラ、シャンゼリゼ管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、コンチェルト・ケルン、ヨーロッパ室内管弦楽団とコレギウム・ヴォカーレ・ゲントといった世界の主要アンサンブルに頻繁にゲスト出演している。また、ヘレヴェッヘ、ブリュッヘン、ホグウッド、ウィスペルウェイ、ホープ、ケラス、ファウスト、ムローヴァ、サンプソン、パドモアなどの著名なアーティストと共演している。
現在は、協奏曲、リサイタル、室内楽公演に時間を割いており、バルセロナ、ボストン、ブリュージュ、インスブルック、サンクトペテルブルク、ヴェネツィア、ユトレヒトの古楽音楽祭や、ショパン・フェスティヴァル、ブレーメン音楽祭、タングルヴッド音楽祭、モーストリー・モーツァルト・フェスティヴァル、そしてベルリンとケルンのフィルハーモニー、シャンゼリゼ劇場、ウィーン・コンツェルトハウス、ウィグモアホール、カーネギー・ホールなどの世界的に知られるコンサートホールに出演している。
2009年からは、ハルモニアムンディと長期的な録音関係をスタートさせ、ヴァイオリンのぺトラ・ミューレヤンスとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集、モーツァルトの鍵盤音楽全集の第1集(ディアパソン誌のDecouverte賞とセシリア賞を受賞)から第3集までを録音している。また、フライブルク・バロック・オーケストラとのメンデルスゾーンのピアノ協奏曲やテノールのマーク・パドモアとのシューマンの「詩人の恋」(エディソン賞受賞)がある。ヴァイオリンのヴィクトリア・ムローヴァとオニキス・レーベルに録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集は、ICMAの2011年ベスト室内楽アルバム賞を受賞した。

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