ホルスト《惑星》と西洋占星術の深い関係を青石ひかりが解説!
ポップスなどでもカバーされる「ジュピター(木星)」を始め、7つの惑星を巨大なオーケストラで壮大に描くホルスト作曲の《惑星》。これらの曲の発想の源は天文学ではなく、ホルストがハマっていた占星学! 西洋占星術研究家の青石ひかりさんが、それぞれの曲(星)のもつ意味と星座の関係を紐解きます。
1994年から女性誌・一般誌を中心に占い原稿を寄稿。アーティスト、ミュージシャン、演奏家のホロスコープを診断した連載も『STUDIO VOICE』等カルチャー誌に執筆...
占星術大国イギリスが生んだ管弦楽曲
グスターヴ・ホルストが作曲した組曲《惑星》には、各曲に「戦いをもたらす者」(火星)、「平和をもたらす者」(金星)、「翼のある使者」(水星)といった副題がつけられています。火星は軍神マルスを、金星は美の神ヴィーナスを、水星は知の神マーキュリーを表しており、それぞれの神のキャラクターが、楽想に影響を与えていることに、占星術を知る者は「ニヤリ」としてしまうのです。
この管弦楽曲の創作に霊感を与えたのは、天文学ではなく占星学であり、ホルストは1910年代に占星術にハマり、これに関する書籍を読み耽っていたといいます。元々インド文学や神秘学など、広範なジャンルに好奇心をもっていたホルスト。中でも「近代西洋占星術の父」と呼ばれるアラン・レオには深く傾倒し、レオの著作が《惑星》に多大なる影響を与えたことは有名です。
イングランドのグロスターシャー生まれ、近代イギリスを代表する作曲家のひとり。
ウェストミンスター生まれの占星術師、作家、出版社、占星術データコレクター、神智学者。「現代占星術の父」と呼ばれる。
ホルストもアラン・レオも英国人ですが、もともと英国には占星術の正統的な伝統があり、伝説的な人物にはロンドン大火や清教徒革命を予測したウィリアム・リリーがいます。占星学協会の本部もあり、ケーブルテレビにも「占星術チャンネル」がある国ですので、ホルストがここに興味関心を抱いたとしても不自然なことはありません。
1910年代はヨーロッパで降霊術などがブームとなった時代で、ドビュッシーもロシアの霊媒師ブラヴァツキー夫人と親交を深め、一緒に撮影した写真が残っています。
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