ショパンコンクール予備予選に日本から出場する24名 どのようなピアニスト?経歴は...
2025.03.28
30秒でわかるラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー:月の光について30秒で丸わかり♪
フランスの作曲家クロード・ドビュッシー(1862〜1918)は、彼の生きた時代のフランスの美術の印象主義や文学の象徴主義に通じるような、外的な事象に呼び起こされる印象を音で捉えるような新しい音楽のあり方を求めました。それまでの伝統的な書法や音楽語法から離れ、音色の変化や独自の和音の響きをとおして絵のようなイメージや雰囲気を作り上げる彼の音楽は、フランスの近代音楽に新たな地平を開くものとなりました。
その彼のピアノ曲の中でもとくにポピュラーな〈月の光〉は、全4曲の《ベルガマスク組曲》という曲集の第3曲にあたるものです。比較的初期の作だけに、のちの彼の斬新な語法はまだそれほど明確ではありません。しかし、デリケートな響きの推移と音の動きによって青白い月の光のイメージを美しく浮かび上がらせている点で、新しい響きのあり方を求めようという彼の以後の方向が示唆されています。夢想的な静謐さの中に、雰囲気の微妙な移ろいを感じさせる名品です。
作曲年: 不明(1890年以降)
演奏時間: 約5分
編成: ピアノ