ビジネスパーソンのためのオペラ入門 第2回

音楽談義の引き出しを増やす! 歴史と紐づく「オペラ」で会話するコツ

読みもの
2019.02.12

ビジネスパーソンにとって大切なスキルのひとつは会話術。政治、経済、ファッションに歴史。すべてを内包する芸術「オペラ」を知らずして、成功はあり得ない!?

オペラを楽しみつつ、教養も手に入れる! 自らも企業の貿易部門でビジネスの真ん中で勝負してきたオペラ研究家、岸純信さんの提案です。第2回は、ちょっとかわいらしい過去のエピソードから。

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写真:岸純信
ナビゲーター
岸純信 オペラ研究家
岸純信
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岸純信 オペラ研究家
足が短いので、長いものを好みます。俳句よりは短歌、ツイッターよりはブログ。ネットとは書かずインターネットと記します。

砕けた席で、たわいもない話をするのは楽しいもの。筆者の記憶に残るのは、あるホームパーティで「どの清涼飲料水が好きか」という話題で盛り上がったことである。

そのときは、アメリカ西海岸のある町で、いろんな世代の男女が10名集ったが、日本人は筆者だけ。そこで素直にDr Pepperと答えると、「子どもみたい!」と大笑いされ、そこから会話が弾んだのだ。そう、子どもが背伸びをして名前を出すような、ひと癖ある味わいがドクター・ペッパーの売りである。でも、好みを率直に告げれば相手も反応し、より積極的な会話が続く。

オペラ研究家として講演会で話す際も同様で、「好き嫌いに善悪はないから、皆さん、好みをじっくり追求して下さい」と述べて、こちらからも質問する。そうすると人は口を開き、丁寧に語れば対話が途切れることはない。

歴史とともにオペラをインプット!

では、今回のテーマ。

「音楽談義」と字面は堅苦しいが、要は「楽しいトーク」になれば良く、そこではオペラの話題も重宝する。というのも、オペラは有名な歴史や文学が題材になりやすいからだ。

物語はギリシャ神話から戦後の東西対立まで多種多様。クレオパトラも皇帝ネロも、ハムレットもヴァスコ・ダ・ガマも切り裂きジャックも、はたまたナポレオンや毛沢東までもが名作オペラの主役や準主役になっている。

また、オペラが扱う土地柄もそれは幅広いもの。

プッチーニの《蝶々夫人》のように明治時代の日本もあれば、ヴェルディが古代エジプトを想像力で作り上げた《アイーダ》スイス独立の英雄が題名役でも真の主人公は民衆そのものといったロッシーニの《ウィリアム・テル》もある。

《アイーダ》の凱旋行進曲はいまや「サッカーのテーマ曲」で世間にお馴染み、《蝶々夫人》の名アリア〈ある晴れた日に〉は世界中のテレビCMで使われ、《ウィリアム・テル》のスピーディーな序曲も運動会シーズンにはよく耳にする。

オペラの名曲は、それなりに人の耳に馴染んでおり、音楽好きなら話のタネにしやすいだろう。

《アイーダ》の凱旋行進曲

《蝶々夫人》〜〈ある晴れた日に〉

《ウィリアム・テル》序曲

オペラにおけるライバル関係

ここで一つ、談義のコツを紹介しておこう。

それは「ライバル関係に注目」すること。同年生まれのワーグナーの手法も貪欲に取り入れたヴェルディと、そのヴェルディを徹底的に無視した頑固者ワーグナーのような作曲家同士、熱く激しく歌うマリア・カラスと「天使の声」の持ち主レナータ・テバルディといった競い合う歌手たち、映画も作りオペラも演出した師弟二人——ルキーノ・ヴィスコンティフランコ・ゼッフィレッリ——など、対照的な個性を纏めて考えると、理解の手掛かりは増え、特徴もより掴みやすくなる。体験談をどんどん披露しながら、相手の経験もしっかり吸い取って、話に花を咲かせよう。

ワーグナーとヴェルディ

リヒャルト・ワーグナー
ドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)
ヴェルディ
イタリアの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)。ジョヴァンニ・ボルディーニによる肖像画。

マリア・カラスとレナータ・テバルディのプッチーニ《ジャンニ・スキッキ》〜〈私のお父さん〉

ルキーノ・ヴィスコンティとフランコ・ゼッフィレッリ

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