チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
2022.10.13
音楽ことばトリビア ~ポーランド語編~ Vol.1
フリデリク――ショパンのファーストネームは?
平岩理恵 ポーランド語通訳・翻訳家
東京外国語大学大学院修士前期課程修了。ワルシャワ大学音楽学研究所に政府給費留学(2001~03年)。ポーランドの舞曲やモニューシュコを研究。訳書 『ショパン家のワルシ...
ショパンのアイデンティティ、ポーランド語での名前の読み方は?
言わずと知れた超有名人、ショパン。ですが、彼のファーストネームを皆さんはどう呼んでいますか? 「知ってる、知ってる、フレデリックでしょ」という返答がほとんどかな、と想像します。「ミドルネームはフランソワっていうんだよ」と、さらによくご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
たしかにショパンは後半生をパリで過ごし、フランス語で彼の名はFrédéric François Chopinと書かれました。——でも、ショパンは自分のことを一体何人だと思っていたでしょう?
続きを読む
彼の帰属意識は終生、「ポーランド人」でした。パリに住まうようになった後も(これも最初から本人が望んだことではなく結果的にそうなってしまったにすぎません)、フランスに帰化したわけではありませんし、フランス語にも不自由はありませんでしたが、彼が思うまま、生き生きと表現できる言葉は、はやり母語のポーランド語をおいてほかにはなかったのです。
そして、出生記録に記され、自分もそう署名し、家族や友人が親しみを込めて呼びかけた名前も、当然のことながら、ポーランド語のFryderykでした。
発音は「フリデリク」です(ryの部分を若干「ルィ」のようなイメージで、またアクセントが「デ」の位置に来ることに気をつけて発音してみてください)。ちなみにセカンドネームの方はFranciszek(フランチシェク)で、「チ」にアクセントとなります。
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2023.03.19
ショパン国際ピリオド楽器コンクールの思い出~予備審査動画の制作から本大会の準備編
2023.03.18
音響も空間も美しいホールで子どもから大人までクラシック・ファンに~フェニーチェ堺
2023.03.18
人生の各ステージに多彩な企画で寄り添う「クラシック音楽の殿堂」〜東京文化会館
2023.03.18
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ フィルモアのライブ4枚組は貴重な演奏が詰ま...
2023.03.17
アーティストのプロデュース企画は必聴!海の見える遊音地~横浜みなとみらいホール
2023.03.17
楽器メーカーならではのネットワークで独自の企画。カフェも楽しめる~ヤマハホール
2023.03.17
極上の音響と、「駅前ホール」の親しみやすさが同居〜ミューザ川崎シンフォニーホール
2023.03.17
「世界一のお客様をお迎えしたい」すべてはそのための活動〜兵庫県立芸術文化センター