体験談付き! ヘンデル、モーツァルト、ベートーヴェンの“ととのう”温泉ルーティン
サウナでととのうのが昨今のブームとなっていますが、昔の作曲家たちも温泉やサウナに行っていました! 今回は、ヘンデル、モーツァルト、ベートーヴェンのエピソードを紹介します。そして、大作曲家と同じ温泉ルーティンを大井駿さんが体験! オーストリアの温泉での「ととのい方」を伝授します。
1993年生まれ、東京都出身。2022年、第1回ひろしま国際指揮者コンクール(旧:次世代指揮者コンクール)優勝。パリ地方音楽院ピアノ科、ミュンヘン国立音楽演劇大学古楽...
昔の作曲家たちもデスクワークの疲れを温泉で癒していた
曲を作るというのは、途方もなく大変な作業です。まっさらな五線紙に、インクで小さなシミを落とすというのにも、時間と労力がかかります。モーツァルトやシューベルトのような速筆の作曲家も、大量の曲を短い期間で書いていたので、その疲れも並ならぬものだったでしょう。
こうしてピアノや机に向かってずっと座るような生活が長い間続いていると、肩こりもひどくなり、足腰もやられてしまいます。きっとみなさんの中にも、そんな生活をされている方がいらっしゃるかと思います。毎日ご苦労様です。
さて、こんな状況になったら、みなさんはどこでリラックスしたいですか? きっとその選択肢の中には、「温泉でゆっくり過ごしたい」なんていうものがあるのではないでしょうか。
これは、昔の作曲家たちも同じだったのです! 身体が悲鳴をあげはじめた昔の作曲家たちも、心体を癒すために温泉へ向かったのです。
しかし、気晴らしというよりは治療、すなわち湯治(とうじ)のために滞在しました。昔の日本でも、大分の別府温泉や、群馬の草津温泉は、湯治のために多くの人たちが足を運びましたし、現在でも鳥取の三朝温泉は本格的な湯治場として、現地の病院が温泉治療を行なっています(三朝温泉は、筆者も大好きな温泉の一つです)。
ヨーロッパはその傾向が非常に顕著で、数多くある温泉地には必ずといっていいほど温泉治療医(ドイツ語でBadearzt、またはKurarzt)が開業して、湯治を目的に温泉へきた人たちに指導をしています。
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