タワレコ・バイヤー推し! の3枚

「レコード芸術」特選盤の再選!

読みもの
2018.09.03

タワーレコードのクラシック担当バイヤーが、本Webマガジンの9月の特集「社会と音楽」に合った1枚をピックアップ! さらに、月刊誌「レコード芸術」9月号の特選盤に選んだCDの中から、さらに優れた2枚を推してもらった。

推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
板谷祐輝
推した人
板谷祐輝 タワーレコード オンライン事業戦略部
2011年タワーレコード入社。オンラインショップのマーケティング・事業戦略を担当。好きな音楽はクラシック、現代音楽、アンビエント、欅坂46。趣味は作曲、ピアノ、クラリ...
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
中川浩淳
中川浩淳 タワーレコード 商品本部クラシック担当
2018年5月で入社して丸22年。J.S.バッハやブラームス好きで、最近はピアノ音楽にはまっていて古典派から近現代まで幅広く聴いています。2018年のドビュッシーのメ...
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
板倉重雄
板倉重雄 タワーレコード商品本部洋楽部
レコード「板」の「倉」を守る「重」たい「雄」です。「レコード芸術」購読歴は40年、レコード業界歴は24年。現在タワーレコード株式会社、商品本部洋楽部勤務。SPレコード...

アウシュビッツで命を落とした作曲家が遺した、7曲のソナタ~9月「社会と音楽」特集より

■Viktor Ullmann: Complete Piano Sonatas

これはあくまでも個人的な持論だが、音楽や芸術は文化発展に寄与することはあっても社会や政治に干渉・統制されてはならないと思っている。それでもアートが歴史上、不幸なことに弾圧や排斥を受けることは一度や二度じゃない。その中でもっとも悲劇的なものの一つは1930年代ドイツで起こった。世に言う頽廃芸術/音楽である。

大戦中のナチスによって排斥された音楽には当時前衛的だったシェーンベルクら新ウィーン楽派から、ヒンデミット、ストラヴィンスキーなどが含まれた。このヴィクトル・ウルマンもそんな頽廃音楽の烙印を押された一人で、アウシュビッツで命を落とした作曲家だ。2018年のラ・フォル・ジュルネTOKYOでも福間洸太朗氏が彼の第7番ソナタを演奏していたりと、今日では幸いなことに日本でも聴かれる機会は比較的多い。

こちらは30年代後半から死の直前の44年までに書かれた全7曲のピアノ・ソナタを収録。しかし7曲もの珠玉の作品が残ったと言うべきか、7曲しか残せなかったと言うべきか。

さて、暗い話をしてしまったので余談として話題を変えるが、本盤をリリースしているレーベル「Steinway & Sons」は、ご存知ピアノメーカーとして圧倒的人気を誇るスタインウェイが、2010年に設立したピアノ音楽専門レーベルだ。最近では話題が尽きぬバーンスタインの全集を出すなど、ピアノ好きにはたまらない素晴らしい仕事を残している。

(タワーレコード オンライン事業戦略部 板谷祐輝)

Viktor Ullmann: Complete Piano Sonatas

ピアノ: ジャンヌ・ゴラン
STNS30014

反田恭平の世界に浸る、ベートーヴェンの三大ソナタ~「レコード芸術」2018年9月号「新譜月評」特選盤より

■悲愴/月光/熱情~リサイタル・ピース第2集

今、もっとも注目を浴びている若手ピアニスト、反田恭平。2018年7月より全国ツアーを行ない、そのプログラムと連動しリリースした「ベートーヴェン:三大ソナタ」。「悲愴」「月光」「熱情」というベートーヴェンのピアノソナタの中でも屈指の人気曲であり、これまで数多くの名手が録音してきた名曲中の名曲ですが、その誰とも違ったアプローチで聴かせるところが、彼の今の人気に繋がっています。

確かなテクニックから繰り出されるデュナーミクの利いた演奏は、派手さに注目が集まりますが、弱音の繊細さや一瞬の間の取り方などが絶妙で、その作品をどう聴かせたいかという彼の考え抜かれた細やかさが徹底されています。

彼のコンサート会場の雰囲気は独特な熱気に溢れ、毎回大盛況です。唯一無二な反田恭平の世界に浸るべく聴衆は期待に胸を膨らませ、その期待以上の演奏を繰り広げます。このベートーヴェンでも何度も繰り返し聴きたくなる凄演がお聴き頂けます。

(商品本部クラシック担当 中川浩淳)

悲愴/月光/熱情~リサイタル・ピース第2集

ピアノ:反田恭平
COCQ-85422

明るく朗らかなパガニーニをヴァイオリンとギターで~「レコード芸術」2018年9月号「新譜月評」準特選盤より

■パガニーニ: ヴァイオリンとギターのためのソナタ集

午後の昼下がりに聴くにふさわしい、明るい色彩と美しいメロディに満ち、ヴァイオリンとギターによるリラックスした語らいを楽しめる1枚。作曲は19世紀前半を代表するヴァイオリンの名手、パガニーニ。しかし、ここでは彼の超絶技巧は影をひそめ、ロッシーニのアリアのような陽気な明朗さが全編を彩っている。

ヴァイオリンは作曲者と同じイタリア出身のビオンディ。バロック音楽を得意とする彼が初めて録音したパガニーニである。彼はバロック音楽を演奏する際に、現代的奏法のヴィブラートを厭わないが、ここではロマン派のパガニーニ作品の譜面にはない装飾音を入れ、カデンツァを挿入するなど、バロック演奏で培ったスタイルを持ち込んで、生き生きとした演奏を生み出している。

共演のピナルディは長年、エウローパ・ガランテで撥弦楽器奏者を務めた仲間だけに、息もぴったり。二人の明るい音色、軽やかなリズム、流麗なテクニックに心弾む思いだ。

(タワーレコード商品本部 板倉 重雄)

パガニーニ: ヴァイオリンとギターのためのソナタ集


ヴァイオリン : ファビオ・ビオンディ
ギター : ジャンジャコモ・ピナルディ
PGCD-923410

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