読みもの
2018.07.14
ミマス連載「歌を作ろう!」~宇宙でいちばんやさしい作詞作曲ガイド/ONTOMO出張版~

第1回 誰でも歌を作ることができる

作詞作曲に憧れる! でも音楽の心得がないから......と諦めるその前に、「宇宙一やさしい作詞作曲ガイド」をお手にどうぞ。
星や宇宙をテーマに音楽を作るミマスさん(アクアマリン)による『歌を作ろう! 宇宙でいちばんやさしい作詞作曲ガイドブック』より、ONTOMO出張版をお届けします! 言葉には上手くできない想いを、歌に託してみませんか。きっと新しい世界が開けますよ。

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ミマス 作詞・作曲家/音楽ユニット「アクアマリン」メンバー

Sachikoの澄みわたるボーカルと、ミマスの詞と曲を基盤とする音楽ユニット「アクアマリン」( http://aqumari.com/ )のメンバー。1998年6月結...

メインビジュアル:雨宮菜々子

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あなたは、絵を描いたことがありますか? 写真を撮ったことがありますか?
「そりゃあ、一度くらいはあるよ」。それが多くの方の答えでしょう。

――では、歌を作ったことは?

「それはないなあ」、と答える方がほとんどかもしれません。絵や写真だけではなく、世の中にはさまざまな創作や表現の方法があります。詩や俳句、折り紙や手芸にダンスや演劇。料理をすることや文章を書くことだって、創作であり表現活動です。そしてそのほとんどは、誰もが気軽に楽しめるものです。

でもなぜか、歌を作るということ、つまり作詞作曲というものだけが、とても難しいことだと敬遠されているように見えます。高度な知識と技術がなければできないもののように思われています。

本当にそうでしょうか。そんなことはない、歌を作ることはもっと気軽に多くの人が楽しめるはずだというのが僕の考えなのです。

ミマスさんの作業スペース

歌は素晴らしいものです。世の中にはたくさんの優れた歌が存在し、それを聴いたり歌ったりするのは楽しいですよね。でも、もしもあなたがたった一つでも、自分の歌を作ることができたなら……。きっと、あなたの生活や人生が、いっそう楽しく豊かなものになるはずです。

「全ての人が、一生に一度くらいは歌を作ることが普通である世の中が実現したらなんて素敵だろう」。そんな想いからこの本は生まれました。この本には、僕と同じように「楽譜の読み書きがとても苦手で、音楽学校に通ったことがなく、楽器を習ったこともない人」が、気軽に歌を作ってみるための方法が書かれています。それは他ならぬ、そんな僕が作詞作曲を仕事にするようになった道程のなかで、一つ一つ学んでいったエッセンス。
それをこれから、分かりやすく解説していこうと思います。

「大切な友人や家族に、日頃の想いを伝える歌を贈りたい」
「旅先で見た素晴らしい風景を歌にして残したい」
「仲間の気持ちを一つにする、クラスやチームのテーマソングを作りたい」
「自分の想いを歌で表現して人前で披露してみたい」

そんなふうに思ったら、それを実際にやってみましょう。あなたもぜひ挑戦してみませんか。「歌を作る」という、楽しい創作に。

誰もが毎日作曲してる

それでは、まず初めに作曲についてお話ししてゆくことにします。もしかすると「作曲」というだけで身構えてしまったり、自分にできるのか不安になってしまう方もいるかもしれません。でも僕はこう思います。「作曲は誰にでもできる、いや、誰もがすでにやっている」と。

音楽を仕事にしていることもあり、僕の身のまわりには作曲をする人がおおぜいいます。ジャンルはさまざまでも、多くの人が口をそろえてよくこんな不思議なことを言うのですね。
「言葉はすでにメロディを持っている。それを引き出してゆけば自然に作曲ができる」と。
これはいったいどういうことでしょうか。じつは僕も、これについては本当にそのとおりだと思うのです。このことは歌を作る際にとても大切なので、ちょっと解説してみましょう。もし身近に何か楽器があったら、ぜひ音を出しながら次のことをやってみてください。

たとえば「今日は天気がいい」という言葉。これを、「♪ドドドドドドドドド」という音階に乗せて言ってみてください(①)。どうです。不自然でしょう。まるで古めかしいロボットのようです。ふだん僕たちはこんな話し方をしません。

では今度は、「今日は天気がいい」という言葉を、「ド」の両どなりの音も使って「♪ドシドレドシシレド」という音階に乗せて言ってみましょう(②)。ドドド……で言ったときよりも、わずかな音程の差をつけただけで格段に人間らしく、自然になったと思います。

ではさらに、もっと高低の差をつけて、「♪ソミソドシラソラソ」で言ってみてください(③)。いかがですか。「今日は天気がいい」という感じが、よりハッキリと表れていると思いませんか。なんだか本当に青空が見えるようです。それを見上げた人の気持ちさえも伝わってくるような気がしてきますよね。

これは何を意味しているのでしょうか。僕たちは、同じ音の高さでしゃべるよりも、音の高低をつけたほうが人間的で自然だと感じるのです。そのほうが感情や情景がより伝わりやすくなる。このことは多くの方が共感してくださるのではないでしょうか。

このように僕たちは、言葉を話すとき無意識のうちに音に高低をつけています。「学校で、給食を食べたよ」と言うとき、あなたは「♪ドッドード、ドードドドドドドド」とは言わないはずです。きっと「♪ドッミーミ、ソーソソソソミドミ」に近い音階で言っているのではありませんか。

そこで質問です。「言葉に音の高低をつける」という作業のことを何と言うのでしょう。―――そう、それが「作曲」ですよね。そしてあなたも毎日それをやっている。あなたは日々、なにか言葉を発するたびに、そこにメロディを生んでいます。「作曲は誰にでもできる、誰もがすでにやっている」というのはそういう意味です。

とはいえ、そのことと、あるていど形の整った作品を作ることには少し隔たりがあります。足でボールを蹴ることができるからと言って、即座にサッカーの試合に出場できるわけではありません。でも、基本的なルールを覚え、ゲームを楽しめるようになるのはそれほど難しいことではないでしょう。作曲も同じ。あなたはすでに「ボールを蹴ることはできる」状態なのですから、あとは本当にちょっとしたことを知ってゆけば、歌作りを楽しめるようになると僕は思うのです。

歌を作ろう! 宇宙でいちばんやさしい作詞作曲ガイドブック

歌を作ろう!

ミマス 著

【定価】 1,620 円 ( 本体1,500 円)
【判型・頁数】 4-6・128頁
【発行年月】 2018年8月
【ISBNコード】 9784276200210
【商品コード】 200210

ミマスさんによる連載「歌と旅と星空と」もお楽しみ下さい!

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ミマス 作詞・作曲家/音楽ユニット「アクアマリン」メンバー

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