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2022.02.09
デビューアルバム『ザ・ヴィルトゥオーゾ』をリリース

慶應義塾高校ピアニスト、八木大輔と秋川風雅(D&F)の音楽との付き合い方とは?

取材・文
上田弘子
取材・文
上田弘子 音楽ジャーナリスト/イラスト・デザイナー

音楽大学在学中より創作(演奏・執筆・デザイン)活動を始め、現在、音楽雑誌、新聞、季刊誌、リサイタル・プログラムやCD解説等々、独特な視点による文体やインタヴュー・アプ...

写真提供:アールアンフィニ ©️Shuhei Arita

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2022年、新年が明けて間もない1月5日。東京・青山にあるスタインウェイ&サンズ東京の小ホールにて、フレッシュなピアニストのお披露目があった。

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慶應義塾高等学校に通う八木大輔(やぎ・だいすけ/3年在学中)と秋川風雅(あきかわ・ふうが/2年在学中)で、二人はすでに演奏活動も行なっており、コンクール入賞も多々。2月にデビューアルバム『ザ・ヴィルトゥオーゾ』(アールアンフィニ・レーベル)がリリースとなり、3月にはその記念公演とも言えるジョイント・コンサートが開催される(3月31日、Hakuju Hall)。

D&F(八木大輔&秋川風雅)デビューアルバム『ザ・ヴィルトゥオーゾ』

1. ショパン:練習曲 嬰ト短調 作品25-6
2. リスト:ドン・ジョヴァンニの回想 S.418
3. サン=サーンス/リスト:死の舞踏 S.555
4. ショパン:練習曲 嬰ハ短調 作品10-4
5. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23 番ヘ短調作品57「熱情」
6. ラフマニノフ:イタリアン・ポルカ 変ホ長調(連弾)

八木大輔(ピアノ)1、2、3、6
秋川風雅(ピアノ)4、5、6

レーベル:アールアンフィニ
企画制作:ソニー・ミュージックダイレクト
発売:ミューズエンターテインメント
録音:2021年4月20日、7月13日 & 14日、8月17日
2022年2月23日発売予定

ということで、プレスに向けたクローズド・コンサートのこの日は、最初に二人の演奏。

アルバム収録曲から、まず秋川が、ショパン「練習曲作品10-4」とベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第23番《熱情》」の第1楽章を、誠実な構成ながらも根底にほとばしる情熱で演奏。

続いて八木が、ショパン「練習曲作品25-6」とリスト「ドン・ジョバンニの回想」を、瞬時に自分の世界を作って聴き手を音楽に引き込むという、異なる個性で共に熱演。

秋川 風雅(ピアノ)
慶應義塾高等学校2年在学中2004 年東京都生まれ。父はオペラ歌手、母はピアノ講師、祖父は声楽家という恵まれた音楽環境の中、ピアノを始める。3歳より毎年、Hakuju Hall にてソロリサイタルを開催。
6歳 日本フィルハーモニー管弦楽団と共演。モーツアルト「ピアノとオーケストラのためのコンサートロンド」を演奏。12歳 東京交響楽団と共演。ショパン「ピアノ協奏曲第1番」を演奏。また同演奏会にて、ベートーヴェン「交響曲第7番」を指揮。13歳 ニッポンシンフォニーと東京芸術劇場にて共演。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」を演奏。翌年チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を演奏。国際コンクール「チャンピオンズ・キーボード」(イタリア)ベートーヴェン部門第1位。ホロヴィッツ・コンクール(ハンガリー)フェリックス・ブルーメンフェルト記念賞[大会最高位賞]。ピアノを両親に学び、また小島さやか氏、そして数々の著名なピアニストの指導を受ける。声楽を父に、指揮法を鈴木織衛氏に、作曲法を古川琴子氏に学ぶ。
八木 大輔(やぎ・だいすけ)
慶應義塾高等学校3年在学中。2003 年神奈川県生まれ。4歳より藤井麻衣子、6歳より石井理恵の両氏に手ほどきを受け、現在黒田亜樹、藤井一興の各氏に師事。またタチアナ・ゼリクマン、ドミトリー・バシキーロフ、ヴィンツェンツォ・バルツァーニの各氏にも指導を受ける。2017年5月、第7回ピアノタレント国際コンクールにて大賞および聴衆賞受賞。同年10 月第 30 回ポッツォーリ国際ピアノコンクールにおいて第3位、13歳で史上最年少入賞を果たす。2018 年 3 月第 4 回スタインウェイコンクール in Japan にて大賞および聴衆賞受賞。同年5月チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール古典派部門で第 1位(最年少受賞)、併せてベートーヴェン賞受賞。2019 年6月、アンドレア・バルディ国際ピアノコンクールにて史上最年少で第1位受賞。同年11月スポレート国際ピアノコンクールにて史上最年少で第 1 位受賞。2021 年 9 月 MozArte国際ピアノコンクール(アーヘン)最高位(1位無し第2位)入賞。シャネル・ピグマリオン・デイズ 2020/2021 参加アーティスト(2022年1月現在)。

そして質疑応答となったのだが、ここでも二人の個性の違いが明確で、だからこその青春のハーモニーか。

音楽一家に育った秋川は(父はオペラ歌手の秋川雅史)、知的好奇心が旺盛で、「世界情勢や哲学、文学にも興味があって、広い知識を身につけたい。それを音楽に活かせたら」と、大学は慶應の法学部を目指している。

その秋川が「とにかく知識量がスゴい! 僕はいつも聞き役です(笑)」と言う八木は、話し出したら止まらない。「オタクなんですよ(笑)。僕も幅広く勉強したくて、作品の背景にある歴史、それには音楽とも密接な関係がある言語など、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語……。ピアノの技術もまだまだなのですが、往年の名匠の演奏が好きで……あ、しゃべり過ぎですね、すみません」と言うが愛嬌があり、八木も同じく慶応大学に進み、文学部で美学を学びたいと言う。

話し出したら止まらない八木。
両親ともに音楽家の秋川も、知見を広げたいと話す。

「僕がこういう性格なので、時に考えすぎて、音楽の推進力が停滞してしまうんです。それを秋川くんは上手くコントロールしてくれる」(八木)。

こういう良好な関係性が、アルバムで聴ける二人の連弾。ラフマニノフ「イタリアン・ポルカ」では、二人のアイデアが満載とのこと。

心身健康で伸び盛りの二人だが、手の大きさも恵まれている。筆者が「鍵盤は何度届きます?」と聞いたら、共に「11度」とのこと。筆者は9度なので、羨ましい限りだ。そして何より、青春を謳歌している二人が眩しい!

1月5日のプレス向けコンサートでの記念撮影。
公演情報
八木大輔&秋川風雅 ピアノジョイントコンサート ~ヴィルトゥオーゾ~

日時: 2022年3月31日(木)19:00開演

会場: Hakuju Hall(東京)

チケットはこちら

取材・文
上田弘子
取材・文
上田弘子 音楽ジャーナリスト/イラスト・デザイナー

音楽大学在学中より創作(演奏・執筆・デザイン)活動を始め、現在、音楽雑誌、新聞、季刊誌、リサイタル・プログラムやCD解説等々、独特な視点による文体やインタヴュー・アプ...

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