臨場感と本気度が違う!新国立劇場が『ラ・ボエーム』で初のライブ配信&オンデマンド配信
7月に新国立劇場で上演されるオペラ『ラ・ボエーム』。19世紀パリの明日を夢見る若き芸術家たちの青春とせつない恋物語は、演出・粟國 淳によって、当時のカルチェ・ラタンの街並みが再現され、プッチーニの甘美な音楽にのせて揺れ動く心が丁寧に描かれます。7月2日公演はライブ配信で本作を観るチャンス。おうちのお気に入り席で、新国立劇場の臨場感を楽しんで、19世紀パリにタイムトリップしてみましょう!
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
日本語字幕と音質の良さ、おうちに新国立劇場がやってくる
一度は新国立劇場のオペラを体験してみたいが、地理的な制約などがあって、なかなか足を運ぶことができない——そんな音楽ファンのために、新国立劇場が7月2日のプッチーニ『ラ・ボエーム』(指揮:大野和士オペラ芸術監督、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団、演出:粟國 淳)で、いよいよ本気のライブ配信&オンデマンド配信に乗り出す。
これまでも新国立劇場は記録映像の配信はおこなってきたが、今回は臨場感とクオリティが全然違う。
映画館で観るオペラや、他の劇場の配信と異なるのは、編集なしのライブ映像でありながら、劇場で投影しているのと同じ日本語字幕が付くということ。
カメラワークは、演出家・粟國 淳とも事前に綿密に打ち合わせた専門のディレクターを付けることによって、演出意図を十分に汲んだ映像となる。
音質も大いに期待できる。これまでの配信をベースに絶えず工夫を重ねてきた経験を生かした成果が反映されるとのことだ。
「あなたがいる場所…そこ、劇場です」というキャッチコピーそのものの、オペラの臨場感を体験できるまたとないチャンスとなる。
出演は、アレッサンドラ・マリアネッリ(ミミ)、スティーヴン・コステロ(ロドルフォ)、須藤慎吾(マルチェッロ)、ヴァレンティーナ・マストランジェロ(ムゼッタ)、他。19世紀のパリを舞台にした若く貧しい芸術家たちの青春群像を描いた、甘い音楽に満ちたこのロマンティックなオペラを、新国立劇場のざわめきの感じられるライブで自宅体験できる。
最後に一言だけ。新国立劇場がオープンした1997年のこと、そこに初めて足を運んだすべての音楽通たちが驚愕したのは、音響の素晴らしいことだった。オーケストラピットから香り豊かに広がってくるオーケストラの響きが、ステージ上の歌手たちの歌とハーモニーを奏でながら客席に届くあの雰囲気——。
これは世界中のどんなオペラハウスにも負けない、とてつもない宝物を私たちは手にしたと当時思ったものである。
いまではすっかりおなじみの劇場として定着しているので、あまり語られることはないが、一人でも多くの人が、あの音響、あの雰囲気を体験して欲しい。まずはそのきっかけとして、今回のライブ配信を楽しんでみてはいかがだろう。
ライブ配信
ライブ配信日:2023年7月2日(日)14:00 (終演後7月4日(火)23:59まで見逃し配信あり)※見逃し配信はライブ配信をそのまま再生いたします。
オンデマンド配信
オンデマンド配信期間:2023年7月16日(日)10:00~8月12日(土)22:00
配信チケット販売期間:
ライブ配信:2023年4月30日(日)10:00~7月2日(日)14:00
オンデマンド配信:2023年4月30日(日)10:00~8月12日(土)18:00
チケットぴあPIA LIVE STREAMサイト
ライブ配信チケット:3,300円(税込)(日本語字幕)
オンデマンド配信チケット:1,980円(税込)(日本語/英語字幕付)
指揮:大野和士
演出:粟國 淳
出演:アレッサンドラ・マリアネッリ、スティーヴン・コステロ、須藤慎吾、ヴァレンティーナ・マストランジェロ、駒田敏章、
フランチェスコ・レオーネ、鹿野由之、晴 雅彦、寺田宗永
合唱:新国立劇場合唱団 児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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