世界が熱狂する指揮者クラウス・マケラが25歳でシェフに 名門パリ管と10月に来日!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
今、世界の音楽界が熱狂する傑出した才能といえば、フィンランドの指揮者、クラウス・マケラだろう。弱冠20代前半で世界の一流オーケストラから高い評価を受け、重要ポストへの就任が相次ぐ。これは指揮者としてはほぼ前例がないことで、世界中の音楽ファンから驚嘆と賞賛の声があがっている。
そのマケラが、昨年25歳にして音楽監督に就任したパリ管弦楽団と、今年10月に来日公演を行なうことが決定した。
異例づくめの経歴を歩む「数十年に一度の天才指揮者」マケラ
クラウス・マケラは1996年フィンランド生まれの26歳。12歳からシベリウス・アカデミーでチェロと指揮を学び、10代から欧州のオーケストラに客演して「数十年に一度の天才指揮者の登場」とも評される高い評価を得てきた。
24歳という年齢で、ノルウェーのオスロ・フィルハーモニー管弦楽団のシェフに選ばれたことは、音楽界で大きな話題となり、さらに翌年には名門パリ管弦楽団の音楽監督にも就任。2027年のシーズンからは、なんとオランダの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者への就任が発表されている。
このような大躍進を続ける中、6月には東京都交響楽団の指揮台に立ち、2回の公演は短期間でソールドアウトとなった。「響きに対する並外れた感性とオーケストラ・コントロール能力は疑う余地がない」(「音楽の友」2022年9月号、長谷川京介氏)等、音楽評論家を驚嘆させ、SNS上でも音楽ファンから絶賛される大成功を収めている。
パリ管の魅力全開の来日公演プログラム
今回のパリ管との来日公演では、ストラヴィンスキーの作品がプログラムの中心となっている。これは、来シーズンのパリ管が「バレエ・リュス」をテーマにしているからで、マケラは「それぞれにもすばらしい能力を持つ楽団員とストラヴィンスキーを披露できるので、ぜひ聴いてほしい。ラヴェルのピアノ協奏曲を旧知の間柄であるアリス=紗良・オットと共演できるのも嬉しい」と語っている(「音楽の友」2022年9月号のインタビューより)。
華麗なるソロの妙技、洗練されたアンサンブル、ラテン的爆発力……世界中で愛される名門パリ管弦楽団の魅力全開のプログラムだ。
録音に限っても、古くはシャルル・ミュンシュ、小澤征爾、ダニエル・バレンボイム、等々が取り上げてきたレパートリーであり、近年もパブロ・エラス=カサドが《春の祭典》を取り上げている、繰り返し演奏されてきたパリ管のオハコともいえるプログラムにマケラがどのように新しい光を当てるのか、期待はつのるばかりだ。
新たな黄金期に突き進む絶好のタイミングでの来日公演、どうかこれを聴き逃して後悔されることのなきよう。
プログラムA ドビュッシー:交響詩《海》、ラヴェル《ボレロ》、ストラヴィンスキー《春の祭典》
プログラムB ドビュッシー:交響詩《海》、ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」(ピアノ:アリス=紗良・オット)、ストラヴィンスキー《火の鳥》(全曲)
2022年
10月15日(土) 東京 東京芸術劇場コンサートホール A
10月17日(月) 東京 サントリーホール A
10月18日(火) 東京 サントリーホール B
10月20日(木) 名古屋 愛知県芸術劇場コンサートホール B
10月21日(金) 岡山 岡山シンフォニーホール B
10月23日(日) 大阪 フェスティバルホール A
medici.tv JAPANでは、クラウス・マケラを新たな音楽監督に迎え、未来を拓く名門パリ管弦楽団のシーズン・オープニングが公開されている。世界が注目するプログラムは、2曲の世界初演作を含む冒険的な構成で、20世紀と21世紀の音楽を旅する。
マケラと同朋フィンランドを代表する現代作曲家カイヤ・サーリアホの2005年作《小惑星4179:トータティス》で幕を開け、リヒャルト・シュトラウスの《ツァラトゥストゥラはかく語りき》で大きく人類に問いかける。リマに生まれヘルシンキのシベリウス・アカデミーに学んだジミー・ロペス・ベリードの新作《アイノ》が続き、フランスが誇るパスカル・デュサパンの新作《A Linea》を経て、スクリャービンの《法悦の詩》へ。オーケストラの響きの粋を斬新に織りなし、音楽への愛を高らかに謳い上げる。
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