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2020.09.12

変奏を追求したバッハとベートーヴェンの作品を並べる~小山実稚恵ピアノシリーズ

片桐卓也
片桐卓也 音楽ライター

1956年福島県福島市生まれ。早稲田大学卒業。在学中からフリーランスの編集者&ライターとして仕事を始める。1990年頃からクラシック音楽の取材に関わり、以後「音楽の友...

小山実稚恵 ©Hideki Otsuka

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2019年6月からBunkamuraオーチャードホールでスタートした、ピアニスト・小山実稚恵によるピアノシリーズ「ベートーヴェン、そして…」(全6回)。

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ベートーヴェンの偉大な遺産である後期のピアノ・ソナタ群を中心に、ベートーヴェンと関わりの深い作曲家の傑作もまじえ、半年に一度のペースで開催されるリサイタルのシリーズである。

これまでの2回ではシューベルト、モーツァルトの作品とベートーヴェンの作品が組み合わされ、演奏されてきた。

第1回の公演の様子。ステージ上のフラワーアレンジは、代官山の花屋vogelと毎回コラボレーションしている。©️堀田力丸

第3回〈知情意の奇跡〉は今年の6月の開催予定で、新型コロナ・ウイルスの流行によって延期されてしまったが、この10月2日(金)、3日(土)の2日間にわたって開催されることが決定した。

そのプログラムは、バッハの鍵盤曲の頂点に位置する「ゴルトベルク変奏曲」と、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調」を並べる。変奏の極限を追求したバッハの作品と、後期のソナタの中でも第3楽章に巧緻な変奏曲を置くベートーヴェンの作品の対比から何が浮かび上がって来るか、大作に挑む小山の意欲に期待したい。

第3回〈知情意の奇跡〉のプログラム意図について語る小山実稚恵

続く4回〈本能と熟成〉は予定通り、113日(火・祝)に開催される。

こちらでは演奏されることが極めてレアなベートーヴェンの「ピアノ協奏曲0番」と大作「皇帝」が取り上げられる。こちらも聴き逃せない公演となる。

小山実稚恵ピアノシリーズ「ベートーヴェン、そして…」
第3回〈知情意の奇跡〉

日時: 2020年10月2日(金)、3日(土)15:00開演

曲目:

  • ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
  • バッハ/ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988

料金: S席6,000円、A席4,500円、B席3,000円

詳しくはこちら

第4回〈本能と熟成〉

日時: 2020年11月3日(金・祝)15:00開演

曲目:

  • ベートーヴェン/ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲 WoO.63
  • ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第0番 変ホ長調 WoO.4*
  • ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」*

    *=指揮:山田和樹/管弦楽:横浜シンフォニエッタ

料金: S席9,000円、A席7,500円、B席6,000円

詳しくはこちら

 

会場: Bunkamura オーチャードホール

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片桐卓也
片桐卓也 音楽ライター

1956年福島県福島市生まれ。早稲田大学卒業。在学中からフリーランスの編集者&ライターとして仕事を始める。1990年頃からクラシック音楽の取材に関わり、以後「音楽の友...

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