ローマ賞とは?19世紀フランスで絶大な権威を誇った作曲家の登竜門の歴史と審査方法
2018.09.17
日めくりオントモ語録/ジャン・ファシナ
音楽の喜びを分かち合うこと、つまり教師にとっては与える喜び、生徒にとっては学ぶ喜びがそれにあたるわけだが、この分かち合いこそ、両者の努力と忍耐にたいする褒美である。このよろこびは、人生を満たしてくれるだろう。
―― ジャンシ・ファシナ著 江原郊子、栗原詩子訳『若いピアニストへの手紙』(2004年/音楽之友社刊)より
ピアノを演奏する際の自由さ、体の柔軟性、音量のバランス、音のみがき方、身振りやバランス、椅子の座り方にいたるまで、ありとあらゆる項目を克服する方法を記した本書の序文より。ファシナはピアノ教師が注意深く、自らの欠点や過去の絶望さえも思い出しながら、生徒と日々探求し、絶えず学ぶことが重要だと語っています。
ジャン・ファシナ (Jean FASSINA)
幼少よりパリ国立高等音楽院に学び、ポーランドにてパデレフスキの弟子ヘンリク・シュトンプカの指導の下で、パデレフスキの芸術観を受け継ぐ。ここでの数年間は、ジャン・ファシナのその後の経歴に決定的な意味をもっている。彼は、1961年から1975年にかけて、西欧諸国、旧ソヴィエト連邦諸国を含む東欧諸国のほとんどの国、またカナダ、アメリカ合衆国、そして日本において、比較的短いながらも集中的なコンサート活動を行った後、その天職である教育活動に人生を捧げている。サルッツォ音楽高等アカデミー、および、ニース音楽アカデミーの教授をつとめるとともに、ワルシャワのショパン音楽院、ジュリアード音楽院、パリ・エコール・ノルマル音楽院などのマスタークラスのほか、ポルト、ブリュッセル、ブカレスト、北京、東京、大阪諸都市の各大学や音楽学校にしばしば招致されている。
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