日めくりオントモ語録/リュカ・ドゥバルグ
私はピアノそのものにはあまり興味をもっていません。
―― リュカ・ドゥバルグ「レコード芸術」2018年6月号より
11歳でピアノを始め、15歳で中断。パリ第7大学で理学と、文学の学士号を取得するという異色の経歴を持つピアニスト、リュカ・ドゥバルグ。ピアノは自分にとって、音楽を表現するための手段であり、自分のことを「弾いているときにはピアノのことを忘れて音楽のなかに入り込みたいと考えている人間です」と語りました。
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番
リュカ・ドゥバルグ(ピアノ)
1990年生まれ、11歳でコンピエーニュ音楽院でピアノを学び始め、間もなく技巧的なレパートリーに魅了されたが、一度ピアノの演奏から離れ、パリ第7大学で理学及び文学の学士号を取得した。しかしその後再びピアニストになることを決意し演奏を再開。ボーヴェ音楽院でフィリップ・タンボリーニの下でピアノを学び始めた。さらにリュエイユ=マルメゾン音楽院で学んだ際、レナ・シェレシェフスカヤ教授と運命的な出会いを果たした。教授は直ちにドゥバルグの優れた才能と偉大な将来を確信し、大きな国際コンクールを受ける準備のためパリのエコールノルマル音楽院の自身のクラスに入学させた。同時にパリ音楽院に入学の準備もはじめ結果、全会一致で入学。音楽院ではジャン・フランソワ・ハイザー教授の下で学び、最終的に2015年にピアノ演奏において学士号を取得した
エコール・ノルマルで学ぶかたわら、2014年フランス、ガイヤールにて行われるアディリア・アリエヴァ国際ピアノ・コンクールに出場し優勝。
2015年、チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールに挑戦。下馬評では優勝候補の筆頭と目されながらも結果は4位入賞であった。しかしモスクワ音楽批評家協会特別賞をただ一人受賞し多くの称賛を集めた。以来、ソロ・コンサートやヴァレリー・ゲルギエフやウラディミール・フェドセーエフ、ギドン・クレーメル等の著名なオーケストラやアンサンブルの共演者として招かれている。他にもすでにゲルギエフのイニシアティブによってデビューを果たしたサンクトペテルブルグをはじめとして今後もイタリア、イギリス、アメリカ、カナダ、チリ等の名門ホールに招かれている。特に2015年12月30にモスクワのプーシキン博物館で行われた著名なフェスティヴァル「12月の夜」クロージング・コンサートでの演奏を任された。
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