進藤実優〜ショパンの音楽は常に生きているように感じられる
第19回ショパン国際コンクール、ついに全日程が終わり結果が発表されました! 翌日の取材会にて、ファイナリストの進藤実優さんにお話をうかがいました。
フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...
今回はショパンのフレッシュで躍動感ある側面を
——ファイナルステージの演奏を終えた瞬間は、どのような気持ちになられましたか?
進藤 ものすごく「やりきった!」というよりかは、「あぁ、もう過ぎてしまった」というような気持ちでした。
2002年4月26日生まれ。モスクワ音楽院付属中央音楽学校でヴァレリー・ピアセツキーに師事し、現在ハノーファー音楽・演劇・メディア大学でアリエ・ヴァルディのもとで学んでいる。
シティ・オブ・ビーゴ国際ピアノコンクールおよびアジア国際ショパンコンクールの優勝者であり、北京ショパンコンクール、キッシンゲン・ピアノ・オリンピック、ジーナ・バッカウアー・ジュニア・コンクール、PTNAピアノコンペティション(東京)などでも入賞。第18回ショパン国際ピアノコンクール(ワルシャワ)およびジュネーヴ国際音楽コンクールではセミファイナリストとなった。
これまでに新日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、北京中央音楽院管弦楽団などと共演している。
——ファイナルに向けて、気持ちをどう持っていかれましたか?
進藤 二度目の参加だったので、今回は雰囲気を知っているということもあり、第1ステージから毎回、期待しすぎないようにしていました。第1ステージが終わっても淡々と第2ステージのことを考える。またそれの繰り返しだと思って毎日過ごしていきました。
——前回とはまた違ったアプローチをされたように見えましたが、ご自身ではどんな変化を感じましたか?
進藤 今回は違うレパートリーを準備してきました。全ラウンドを通して、比較的ショパンが若い頃に作曲した作品を演奏することが多かったので、フレッシュで躍動感あふれるショパンの側面もたくさん学べたと思います。前回は若い頃の作品を意外と若々しく弾けなかったと感じたので、このような選曲をしました。
ショパンの心情を表現できることが喜び
——ショパンを弾くことにおいての喜びと、あと難しさ、両方について教えてください。
進藤 ショパンを弾くことで喜びは、常に音楽が生きていると感じられることです。他の作曲が生きていないというわけじゃないんですけど(笑)。自分の中で共感しながら演奏できる。ショパンの心情が伝わってくると思うので、それを表現できることが喜びです。
難しさは、共感しすぎてしまってどのように演奏すればいいか時々わからなくなることです。
——ショパンが今ここにいたら、何か伝えたいことはありますか?
進藤 ショパンの音楽はとても奥が深くて、全員が全員、違う演奏をすると思うんです。やっぱり本当に素晴らしい作品ばかりで、感謝というとおこがましいですが、素晴らしい音楽を演奏できてすごく嬉しいということを伝えたいですね。
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