インタビュー
2025.10.23
ショパンコンクールファイナリストインタビュー

エリック・ルー〜ショパンに「ありがとう」と伝えたい

第19回ショパン国際コンクール、ついに全日程が終わり結果が発表されました! 翌日の取材会にて、第1位に輝いたエリック・ルーさんにお話をうかがいました。

三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...

©Wojciech Grzedzinski

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この10年で大人としての経験を重ねてきた

——まず、1位に呼ばれた瞬間、どんなお気持ちでしたか?

エリック・ルー 圧倒されました。感情があふれて……まさかこんな瞬間が訪れるなんて夢にも思っていませんでした。

まったく実感がわかなかったですね。頭がぼんやりしていて、もう夜も遅く、何時間も待っていて、ほとんど眠っていなかったので……。

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エリック・ルー
1997年12月15日生まれ。カーティス音楽院卒業。
2018年リーズ国際ピアノコンクールで優勝。これまでにボストン交響楽団、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、東京交響楽団、フィンランド放送交響楽団、上海交響楽団、ロサンゼルス・フィル、オスロ・フィル、ルクセンブルク・フィル、ストックホルム・フィル、ワルシャワ・フィルなどと共演している。
ケルン・フィルハーモニー、クイーン・エリザベス・ホール、エルプ・フィルハーモニー、コンセルトヘボウ、ウィグモア・ホール、デイヴィス・シンフォニーホール、ワルシャワ・フィルホール、ソウル・アーツセンター、ボザール(ブリュッセル)などでリサイタルを開催。
ラ・ロック=ダンテロン、ワルシャワ、アスペン、ロサンゼルス、ドゥシュニキ、ヴァルデモッサなどの音楽祭にも出演。
ワーナー・クラシックスからシューベルト、ショパン、シューマン、ブラームスの作品を収録した2枚のアルバムをリリースしている。

——どのステージがもっとも印象に残っていますか?

エリック・ルー ひとつだけ選ぶのは難しいです。どのステージも、私にとって大きな旅のようなものでした。

強いて言えば、第2ステージですね。「ポロネーズ第1番嬰ヘ短調」と「葬送ソナタ」を演奏できたことが大きかったです。

第1ステージは比較的短かったのですが、第2ステージは本格的なリサイタルのような長さで、それがとても圧倒的な経験になりました。

——なぜファイナルで「協奏曲第2番」を選んだのですか?

エリック・ルー 主な理由は、第1番を10年前に弾いたからです。今回はプログラムの大部分を変えたかったんです。

それに、第2番は最近コンサートで何度か演奏していたので、第1番よりも今の自分にとって経験値が高かったというのも理由の一つです。

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