石丸幹二にとってライバルは「一緒に走り抜ける仲間」~映画『デュオ 1/2のピアニスト』オフィシャルサポーター
実在する双子の天才ピアニスト、プレネ姉妹の人生をモデルに、両手が徐々に不自由になる難病を乗り越えようとする双子姉妹の葛藤と成功の物語を描く『デュオ 1/2のピアニスト』。2月28日の公開に先立って、オフィシャルサポーターを務める石丸幹二が、映画や自身の経験について語った。最後には、ムビチケプレゼント情報も! お見逃しなく。
——この映画は、双子の姉妹が中心ではありますが、家族の絆も描かれています。石丸さんが学生時代にプロの音楽家を目指す中での家族とのやり取りや関係性など、似た部分や共感したポイントはありましたか?
石丸 私も子どもの頃から音楽家を志した人間です。自分自身をふり返ってみると、親の愛情があったからここまで来られたのだと、感謝しかないですね。
この映画でも、双子の両親は、自分たちの人生を犠牲にしてまで教育の場を用意した。だから、それがダメになってしまうかもしれないときに、親も混乱してしまう。これまでやってきたことは何だったのか、自分たちの人生はなんだったのかって、親であってもそう思ってしまう。けれど最終的に、娘たちに寄り添っていこうと、彼らも成長する。そういうところまで描いているんですね。
私自身は、子どもはいないけれど、後継者にどこまで求めるのか、一体どういう風にするとその人が幸せになるのか、そんなことを考えなければと強く思いました。
——ちなみに、ものすごいプレッシャーが伴う挑戦が自分に舞い込んできたとき、石丸さんはどんなふうに自分を奮い立たせるのでしょうか?
石丸 いわゆるコンペティションとかコンクール、舞台の初日があけるときなどですね。今までやってきたことを信じて、ステージに出て、平常心で演じ、なおかつ客席をハッとさせる力を発揮できているんだと信じること。だから双子の姉妹がステージの脇で緊張しているシーンの心情は、それはもう、ものすごくよくわかります。おそらくどのアーティスト、どの表現者もみんな同じじゃないかなと。だからこそ、そのあとで120パーセントの力が出たりするんですよね。
それは日常生活でも同じ。仕事のプレゼンや結婚式のスピーチ、懇親会の締めの言葉とか、いろんなプレッシャーにも当てはまると思います。自分の中で、ここでこうすれば大丈夫って言い聞かせれば良いのではと思います。
——石丸さんにもクレールとジャンヌのように良きライバル的な人はいたのでしょうか?
石丸 私は、デビューから40代に入るまで、長く劇団に所属していましたから、1つの役を何人もの人と競い合って、獲得していくというシステムの世界で育ちました。そのとき、彼らから学べることも多く、今でも尊敬する大事な仲間、アーティストです。
私の場合は、がむしゃらに勝ち負けを競うのではなく、自分にはない他の人の良いところを吸収しようと、彼らのパフォーマンスを観察することに貪欲になっていました。劇団の公演の多くはロングラン公演でしたから、自分のコンディションが崩れたときには、別の人がサポートしてくれますし、その逆もある。だから蹴落とす相手ではなく、一緒に走り抜く相手。ライバルとはそういう仲間たちでした。励まし合い、悩みを分かち合うという。
そして、もうひとつ大事なのは、いい指導者に巡り合うことです。この映画を見て、とても羨ましいと思いました。親や先生から投げかけられる言葉が身に染みて。いい指導者に恵まれるためには、そういう場に出ていくしかないので、やっぱり彼女たちのように臆さず飛び込むことが大事なのだと思います。
映画『デュオ 1/2のピアニスト』のムビチケを3名様にプレゼント!
公開: 2月28日(金)新宿ピカデリー 他 全国ロードショー
監督: フレデリック・ポティエ&ヴァランタン・ポティエ
脚本: フレデリック・ポティエ、ヴァランタン・ポティエ、
製作: フィリップ・ルスレ
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