沖澤のどかに50の質問!〈前編〉舞台に上がるときの気持ちは? いちばんおもしろかった共演者は?
2019年のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のアシスタントを務め、現在は京都市交響楽団常任指揮者をはじめ、指揮者として国内外でしなやかに活躍される沖澤のどかさん。いったいどのようなことを考えて、どのような生活をされているのか……彼女の素顔を50の質問から明らかにします! 前編では、指揮者人生についての質問を中心に、指揮者を志したきっかけや本番前のルーティン、憧れの音楽家など教えてもらいました。
フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...
音楽家になると決めた瞬間は高校2年生の冬、シドニーにて
1. 音楽家になっていなかったら、何になりたかった?
沖澤 小さい頃はキノコにすごくはまっていて、キノコの研究をしたかったかな。キノコの図鑑だけ何冊も親に買ってもらいました。もう少し大きくなってからは、本をたくさん読めるようになって、 言語としての日本語に興味があったので、高校2年生くらいまでは大学で日本語を勉強したいと思っていました。だから将来は図書館司書とか、そういうちょっと静かな仕事がしたかった。
——そこから指揮者というのは、けっこうな方向転換ですね。
沖澤 音楽はずっと好きで、チェロやオーボエを地元のジュニアオーケストラや高校の吹奏楽部で演奏していたし、ピアノももともと習っていました。趣味で続けようかなと思っていましたが、高校2年生になって、いよいよ進路を決めるときに大学を調べていて、その大学のオーケストラが上手かどうか、どういう指揮者が来るか、海外公演があるか……オーケストラのことばっかり調べてることに気づいて。音楽を続けたいなら、そっちの道に進むべきなのかなと思いました。
2. 音楽家になると決めた瞬間は?
沖澤 高校2年生の冬にオーストラリアのシドニーに10日間くらい短期で語学留学をして、初めての海外で、しかも 真冬の青森から真夏のシドニーに飛んで、なんかすっかり開放的な気持ちになって。それで、狭い高校で「こういう進路」って枠にハマって考えていたことに気づいて、やっぱり単純にいちばん好きな音楽で生きていきたいと思いました。
2020年から2022年までベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミー奨学生、及びキリル・ペトレンコ氏のアシスタントを務めた。2023/24シーズンは、バーゼル室内管弦楽団、ウィニペグ交響楽団、ケベック交響楽団等にデビューする。また、NHK交響楽団の定期公演へのデビューのほか、東京交響楽団及び2022/23シーズンにアーティスト・イン・レジデンスを務めたミュンヘン交響楽団へ再登場する。
青森県生まれ。幼少期からピアノ、チェロ、オーボエを学ぶ。東京藝術大学で指揮を高関健、尾高忠明両氏に師事して修士号を取得。2019年には、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンでクリスティアン・エーヴァルトとハンス・ディーター・バウム両氏のもと第二の修士号を取得した。ベルリン在住。
2023年4月から京都市交響楽団第14代常任指揮者に就任。
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