インタビュー
2024.03.05
舞台人が語る「WE LOVE MUSICAL!!」第10回

浦井健治×田代万里生対談・前編〜『カム フロム アウェイ』稽古場の雰囲気や見どころ

注目の舞台人が、ミュージカルの魅力を語る連載。今回はミュージカルをメインに、話題の舞台で活躍を続ける、浦井健治さんと田代万里生さんが登場。共に20代でミュージカルデビューして以来、舞台でずっと切磋琢磨してきた同世代の二人が、新作舞台『カム フロム アウェイ』の裏話やミュージカルへの想い、好きな音楽などについて語り合ってくれました。二人の音楽談義に花が咲いた後編も公開中!

取材・文
NAOMI YUMIYAMA
取材・文
NAOMI YUMIYAMA ライター、コラムニスト

大学卒業後、フランス留学を経て、『ELLE Japon(エル・ジャポン)』編集部に入社。 映画をメインに、カルチャー記事担当デスクとして勤務した後、2020年フリーに...

写真提供:ホリプロ

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まずはお互いの印象や魅力を語る

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——お二人の舞台での共演は、『ガイズ&ドールズ』以来ですよね。

田代 はい! ミュージカルでの共演は2作目となります! でもこれまで健ちゃん(浦井)とは、意外とご縁がなかったんですよ。コンサートも一緒にやったことはないし、イベントもあまりないし。ただ、同じ舞台で先に健ちゃんが演じていて、卒業されたあとに僕が入ることも多かったので、3役ぐらい同じ役を引き継いでいます。

浦井 ニアミスは多かったんだけどね。だからもっと、僕的には共演したいなと思ってて。(舞台の世界で)僕の同世代は層が厚いというか、井上芳雄さんを筆頭に、みんなが切磋磋琢していると思うから。もっともっと共演が盛んになると楽しいなって思います。

浦井健治(うらい・けんじ)
1981年生まれ、東京都出身。2000年に特撮ドラマ『仮面ライダークウガ』の敵の首領役で俳優デビュー。2004年にミュージカル『エリザベート』のルドルフ皇太子役に抜擢され、以降、ミュージカル、ストレートプレイ、映像など幅広く活躍。近年ではミュージカル『キングアーサー』、『王家の紋章』ほか話題作に出演し、第22回読売演劇大賞最優秀男優賞など数々の演劇賞を受賞。2024年6月15日より、ミュージカル『モンパルナスの奇跡~孤高の画家モディリアーニ~』に出演予定。
田代万里生(たしろ・まりお)
1984年生まれ、埼玉県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。15歳より本格的に声楽を学び2003年「欲望という名の電車」でオペラデビュー、09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。近年の主な出演作に、『アナスタシア』『マチルダ』『エリザベート』『ガイズ&ドールズ』『ラビット・ホール』『ジャック・ザ・リッパー』『マタ・ハリ』『スリル・ミー』『マリー・アントワネット』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。

——同世代で仲がいい二人だからこそ語れる、お互いの魅力とは?

浦井 万里生くんは、とても人当たりが良くて品があって、すごく音楽に長けているイメージそのままで。とにかく律儀でもあるけど、作品に向かうと絶対に自分に妥協しないところは、本当にプロフェッショナルだなと思います。あと現場では、臨機応変に対応する力が高く、自分の知識も惜しげなく共有してくれて、みんなを引っ張ってくれる。すごくクレバーで、頭のいい役者さんだなって思います。

田代 僕にとって健ちゃんは『仮面ライダー』の悪役のイメージから始まっていて(笑)。あと劇団新感線の『薔薇とサムライ』をDVDで見たら、バカ笑いをする王子を演じていたんだけど、無駄にくるくる回っているイメージだった(笑)。

浦井 なんか、めちゃくちゃだね!(笑)

田代 そう、もうあの役がイコール、浦井健治だと思ってた(笑)。

浦井 間違いはない(笑)。

田代 あれが多分一般的な、“明るくて元気な健ちゃん”というみんなが持ってるイメージで、もう一つはシェイクスピア俳優としてストレートプレイでセンターを任されてる人。この二軸が両立している人って本当に少ない。

浦井 そんなことはない、いろいろな人がいます(笑)。

田代 いや、どちらもトップでやってる人は少ないと思う。あと底抜けに明るいシーンが得意だから、そういう人かと思いきや実は真逆で、それをやるために寡黙にひたすら台本を読んで考えている。静の部分から動になるときの爆発力は共演するとすさまじいなと思うし、今は毎日稽古で会ってるけど、穏やかで優しいので、現場がすごくいい雰囲気になって、先輩なのに同志とか仲間という感じで接してくださっています。

浦井 ありがとうございます。嬉しいですよ、こういう言葉が(笑)。

田代 僕としても、お互いに20代の頃からミュージカルとかお芝居をやってきて、今二人とも40代に突入しているのが、けっこう嬉しくて。今後、50代、60代で二人がどんな共演をしているんだろうとか、想像するだけで楽しみなんです。

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