インタビュー
2023.04.10
音楽って、人間が生まれ持った本能なんじゃないかな。

つるの剛士の音楽教育論。音楽を楽しむ心を引き出すことは人生を楽しむ心を育てること

ミュージシャン、俳優、バラエティタレントなどマルチに活躍する、つるの剛士さん。子育てや教育にも高い関心を寄せて勉強を続けられ、昨年は幼稚園教諭と保育士の資格も取得されました。5人の子どもの父親でもあり、プライベートでも子どもたちと音楽を楽しんでいるという、つるのさんが考える「子育てと音楽」とは……? 子どもの人生に音楽を、と願うパパ、ママは必読です!

小島綾野
小島綾野 音楽ライター

専門は学校音楽教育(音楽科授業、音楽系部活動など)。月刊誌『教育音楽』『バンドジャーナル』などで取材・執筆多数。近著に『音楽の授業で大切なこと』(共著・東洋館出版社)...

撮影:蓮見 徹

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保育実習にギターを持っていったら子どもたちが大興奮!一緒に歌って盛り上がった

――保育の実習でも、子どもたちと音楽をたくさん楽しまれたそうですね。

T 保育を学んで改めて思うのは、子どもたちは音楽が大好きだということ。音楽にのって体を動かしたり、自然に歌ったり……そういうのって、僕ら大人よりも子どもたちの方が自然にやっているじゃないですか。でも保育園での実習に行くと、教室にある楽器はピアノだけだったんですよね。もちろんピアノも素晴らしい楽器なんですけど、僕はもっともっといろいろな楽器に触れさせたいなと思いました。

それで実習にギターを持っていったんです。それからウクレレとカホン(箱状の打楽器)……子どもたちは大興奮して「触らせて触らせて!」って。もちろん存分に音を鳴らさせました。それにピアノだと先生は椅子から動けないけど、ギターなら子どもたちの間に入りながら一緒に歌ったり、「ヘイヘイ!」と合いの手を入れて盛り上げたりすることもできた。だから、ピアノだけでなくもっといろいろな楽器が保育の現場にあるといいですよね。

つるの剛士:1975年生まれ。「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を熱演した後、2008年に“羞恥心”を結成しリーダーとして活躍。一躍時の人として人気を博す一方で、2009年にカバーアルバム「つるのうた」をリリースし35万枚を売上げオリコン1位を記録。続いてセカンドカバーアルバム「つるのおと」では25万枚を売上げ、トータル60万枚のセールスを記録し、以降精力的に音楽活動を行っている。将棋・釣り・楽器、サーフィン・野菜作りなど趣味も幅広く、好きになったらとことんやらなければ気が済まない多彩な才能の持ち主。二男三女の父親。
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子どもたち自身が楽器に触れ、音を出すという経験はすごく大事だと思うんです。自分でたたいたもの、はじいたもの、振ったものから音が出る、自分が動いたことで音が鳴る。「自分のアクションで何かを生み出すことができる」という感覚を掴むことはすごく大事だし、そのためには楽器が一番いいと思うんですよね。「こんなふうにたたいたらこんな音が出るんだ」「じゃあ、こうしたらどんな音になるかな」と楽しんでいる子どもたちは、五感をフルに使っていると思うんです。

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