京都市交響楽団が2024-25シーズンの記者会見を開催! 常任指揮者2年目の沖澤のどかが登壇
京都市交響楽団2024-25シーズン公演ラインナップ発表が記者会見が開催され、定期演奏会や特別演奏会のプログラム、そして、オランダの鬼才ヤン・ヴィレム・デ・フリーントを首席客演指揮者に迎えることが発表された。
今年度、常任指揮者に就任した沖澤のどかもオンラインで参加し、今年度の振り返りと来年度の意気込みを語った。
「これまでの演奏会を通して、お互いの“手”を知っていくというか、こう提示したらこう返ってくる、お互いの反応がだんだんわかってきている手応えがあります。今はじっくりと知っている期間なのですが、来年度のシーズンでは、もうすでにお互いの感触をつかめているはずなので、 もう少し大胆なことができるという気がしています。特に、先日の演奏会を終えて、 すごくきっちりと作り上げていくのはもちろん大事ですが、京響の場合は、本番で何か爆発的なパワーが出るということがわかったので、それをどのように仕掛けていくか考えています。
《英雄の生涯》は、特にドイツのオーケストラでは、常任指揮者が必ず取り組む作品の1つで、私にとってリヒャルト・シュトラウスは、コンクールでもすごく大事な場面で演奏してきた作品ですし、自分自身がとても好きな作品です。リヒャルト・シュトラウスを、常任指揮者とそのオーケストラがどのように演奏するかというのは、実はすごく重要です。
京響の魅力の1つというのは、 スーパープレイヤーが揃ってるだけではなくて、各パートの誰がとかいうことよりも、オーケストラ全体の音がすごくいい音で鳴ったときのクオリティがとても高い。それはオーケストラが一番目指すところだと思うので、4管編成になったときに、飽和せずにどれだけいい音、それからどれだけのカラーを出せるか、すごく楽しみにしていますし、2年目に挑戦するべきことだと思っています。オーケストラの音色を引き出す手立てを増やしたいです」
定期演奏会の聴きどころとしては、新しく首席客演指揮者に就任するヤン・ヴィレム・デ・フリーントが得意とするシューベルト(5月)、第9代常任指揮者・井上道義の指揮活動ラストイヤーとなる来年度に京響と最後の定期演奏会でショスタコーヴィチ(6月)、沖澤のどかとピアニストの上原彩子の初共演(7月)、第13代常任指揮者として広上淳一が最終公演で取り上げる予定だったマーラーの「交響曲第3番」がコロナ禍を経てようやく実現(8月)などが挙げられた。
シーズン最後の3月には、藤倉大の新作「フルートとヴァイオリンのための二重協奏曲」の日本初演が行なわれる。京響を含む世界4団体の共同委嘱となり、現代音楽には慎重に取り組むという沖澤のどかだが、藤倉大作品の美しさには全幅の信頼を寄せ、自ら電話で日本初演について提案したという。
2009年に開始した子どものためのオーケストラ入門である「オーケストラ・ディスカバリー」は、今シーズンで15年目という大きな節目を迎えたことを機に、2024年度から岡崎のロームシアター京都メインホールに会場を移す。近くに平安神宮や京都市京セラ美術館、 京都市動物園、岡崎公園などがあり、ファミリー層が訪れやすい岡崎地域での開催となる。5歳から入場可能。
「ZERO歳からのみんなのコンサート」には、2024年度、常任指揮者の沖澤のどかが初登場するほか、フレッシュな指揮者とともに「遊ぼう」をすべての公演のテーマに取り入れ、小さな子どもから家族揃って楽しめるプログラムが用意されている。体を動かしながら演奏に参加できるボディパーカッションのコーナーもすべての演奏会で実施される。
演奏事業係長の濱田氏は「オーケストラの骨格をなす定期演奏会のほか、バラエティに富んだ特別演奏会、赤ちゃんから始まるさまざまな世代の皆様にお楽しみいただくとともに、文化芸術都市・京都の象徴として、京都市民に愛されるオーケストラとして、クラシック音楽の感動と生演奏の醍醐味を世界に向けて発信してまいります。新たな指揮者体制のもと、さらにパワーアップした2024年度シーズンにどうぞご期待ください」と締めくくった。
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