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2024.10.10
オントモ・キッズ編集者2024 in 大垣書店麻布台ヒルズ店

子どもたちが「雑誌編集」にチャレンジ! 廣津留すみれさんにインタビュー

雑誌編集の醍醐味、クラシック音楽のおもしろさを次代の子どもたちに伝える職業体験イベント「オントモ・キッズ編集者」。2023年の夏に音楽之友社内で開催され多方面で反響のあった同イベントが、この8月、大垣書店麻布台ヒルズ店に「出張」するかたちで再び開催された。

音楽の友 編集部
音楽の友 編集部 月刊誌

1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...

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編集者体験1日目:表紙選びから取材の下調べ

2日間のワークショップに集まったのは5人の小中学生たち。同イベントの「定例」となりつつあるオリジナル名刺を配布しての名刺交換がスタート。編集者の仕事を大まかに二つの作業─「記事の作成」と「アーティストや公演への取材」に分け、そもそも雑誌とはなにか、記事はどのように作られているのかなど、おおもとの要素を一つずつ解きほぐしていく。

初日は「記事の作成」をメインに、子どもたちが表紙デザインの選択、ゲラの校正に取り組んだ。とくに後者では、赤ペン片手に誤字脱字を発見していくのが、簡単な間違い探しゲームの延長線上にあるのだろう、すんなりとこなしていく。

その後、イベントは2日目に控えるアーティストへの取材のための下調べにスイッチ。クラシック音楽とはそもそもなにか、から始まり、作曲家と作品、楽器についての少々「オトナ向け」な話題へ。モニター上に演奏動画が流れたり、編集長自らヴァイオリンとヴィオラを弾いてその違いを説明したりと、数々のヒントから子どもたちの素朴な好奇心と少々の「背伸び」をうながしていた。

オントモ・キッズ編集者イベント特別版『音楽の友』9月号表紙をみるキッズ編集者たち。じっくりみたあと、それぞれ「良い」と感じたレイアウトと色味を発表した
赤ペン片手に校正にチャレンジ
編集者が本物のヴァイオリンとヴィオラを用いて楽器解説

編集者体験2日目:廣津留すみれさんにインタビュー

イベント2日目、お決まりの名刺交換を済ませた子どもたちは、すっかり「記者モード」なのか、取材への意欲満々。ゲストとして登場した人気ヴァイオリニスト、廣津留すみれに数々の質問をぶつけていった。「どうしてヴァイオリンを始めたの?」「挫折したことは?」「いちばん好きな音楽家は?」といった、シンプルだからこそ単純明快に回答するのが難しい子どもたちの疑問は、廣津留から一つひとつの回答をじっくり引き出していく。その様子はまさに大人顔負け、圧巻の取材ぶりであった。

キッズ編集者が廣津留さんにインタビュー
インタビュー中、廣津留のヴァイオリンに興味津々

インタビューを終えると、廣津留が子どもたちの前で演奏を披露した。曲目はJ. S. バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3 番」から「ガヴォットとロンド」とモンティ《チャールダーシュ》の2曲。繊細な歌いくちから激しい「泣き」まで、その美音にキッズ編集者たちは完全にノックアウト、自然と笑顔をこぼしながら、2日目のイベントは幕となった。

演奏中もメモをとって臨む!

しかし、イベントはこれで終わらない。子どもたちは「編集者」として、インタビューと演奏の感想をまとめて、廣津留についての記事を書かなくてはいけないのだ。初めて体験した、見聞きしたたくさんのことを小さな身体に詰め込んで、キッズ編集者たちが『音楽の友』編集部に送ってきた原稿は、そのいずれもがあくまで自分の言葉で、アーティスト、演奏に対峙した率直な印象が記されつつ、彼らなりの「記事」というものへの意識を確かに感じさせるものだった。

「オントモ・キッズ編集者2024」2日目、ヴァイオリニストの廣津留すみれとキッズ編集者たち
廣津留すみれさんが翻訳を手がけた絵本
『イツァーク ヴァイオリンを愛した少年』

トレーシー・ニューマン 著

アビゲイル・ハルピン 絵

廣津留すみれ 訳

定価1,980円 (本体1,800円+税)

詳細はこちらから

 

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1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...

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