2020.02.05
おやすみベートーヴェン 第52夜【天才ピアニスト時代】
「ロンド 変ロ長調」——「ピアノ協奏曲第2番」初稿の第3楽章が独立!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
「ピアノ協奏曲第2番」初稿の第3楽章が独立! 「ロンド 変ロ長調」
この曲は実は、1790年くらい、ボン時代に完成した「ピアノ協奏曲第2番」の第1稿の終楽章だったんです。改訂して今知られている決定稿になったときに、第3楽章は差し替えられました。もったいないから、今単独で「ロンド」としてあるわけです。
1798年の決定稿にいたるまで全部で第4稿までありますが、「ロンド」が独立したのは、ウィーンに来てから1793年に書き直しをしたときです。
注目すべきは、モーツァルトのスタイルをここでもう吸収していること。次に作曲する「ピアノ協奏曲第1番 ハ長調」(5月上旬公開予定)につながるものを感じますね。
平野さん談
ボン時代から書き直しを重ねた「ピアノ協奏曲第2番」。初稿の第3楽章は、決定稿では差し替えられてしまったものの、独立した小品として残したことから、ベートーヴェンも気に入っていたのではないでしょうか。「ピアノ協奏曲第2番」決定稿は4月上旬公開予定です!
作品紹介
「ロンド 変ロ長調」WoO6
作曲年代:1793年(ベートーヴェン23歳)
出版:1829年ディアベッリ社(ウィーン)
関連する記事
-
ベルリン・フィルを間近で多角的に聴くことで、音楽の未来を切り拓く若い力を育てる!
-
新世代の旗手「ほのカルテット」 二刀流で切り開く室内楽とオーケストラのキャリア
-
須田祥子が語るヴィオラの魅力〜世界でも珍しいヴィオラアンサンブルの響きとは?
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2024.10.06
礒絵里子が挑むブラームスとドヴォルザーク〜ソロから五重奏まで室内楽の魅力を堪能
2024.10.04
【速報】NHK交響楽団 定期公演2025-26シーズンのラインナップが発表
2024.10.04
井上道義、店村眞積が語る師・斎藤秀雄への複雑な想い
2024.10.04
3人のオペラ男子、カントキューブの魅力が詰まった昭和歌謡の世界
2024.10.04
【速報】東京交響楽団が25/26のシーズンラインナップ発表!
2024.10.04
ブラームスを知るための25のキーワード〜その17:合唱団指導者
2024.10.04
ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンのクラシック~文化が混じり合う辺境が面白...
2024.10.02
音楽が「起る」生活#1 新国立劇場開幕、エマール、読響&テツラフ、ギターと歌