モンラート・カバリエ追悼特別編

日めくりオントモ語録/モンセラート・カバリエ

プレイリスト
2018.10.12
カバリエ愛にあふれるエディトリアル・アドバイザー
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家
林田直樹
カバリエ愛にあふれるエディトリアル・アドバイザー
林田直樹 ONTOMOエディトリアル・アドバイザー/音楽ジャーナリスト・評論家
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
カバリエ愛にあふれるオペラ・キュレーター
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター
井内美香
カバリエ愛にあふれるオペラ・キュレーター
井内美香 音楽ライター/オペラ・キュレーター
学習院大学哲学科卒業、同大学院人文科学研究科博士前期課程修了。ミラノ国立大学で音楽学を学ぶ。ミラノ在住のフリーランスとして20年以上の間、オペラに関する執筆、通訳、来...
カバリエ愛にあふれるDIVA担当ライター
東端哲也 ライター
東端哲也
カバリエ愛にあふれるDIVA担当ライター
東端哲也 ライター
1969年徳島市生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。音楽&映画まわりを中心としたよろずライター。インタビュー仕事が得意で守備範囲も広いが本人は海外エンタメ好き。@ba...

2000年を迎えて、さらに音楽は人を結ぶ橋でなくてはいけないと思います。その2つの世界を別々に離すためのものではなくて、それを一緒にするための橋でなくてはいけない

―― モンセラート・カバリエ「音楽の友」1997年4月号より

世界的オペラ歌手であるモンセラート・カバリエが2018年10月6日、バルセロナで息を引き取られました。ご冥福をお祈りいたします。

1997年来日時に、宮本亜門さんがインタビュアーを務めたインタビュー・シリーズの中から一言。
「若い人たちの音楽が大好きなんです。」と語るカバリエはミュージカルを好んでいたり、伝説のロックバンドボーカル、フレディ・マーキュリーと録音をしたりと他ジャンルとのコラボレーションにも意欲的でした。

オペラの今後を問われると「オペラはオープンになります。世界じゅうにとってオープンのものになります。エクスクルーシブな観客のためだけのものでなくなって、特に若者たちにとってもアクセスのあるものになるでしょう」と語りました。

モンセラート・カバリエ、私の1曲

ONTOMOナビゲーターの御三方に、カバリエの数ある名歌唱の中から、おススメの1曲を教えていただきました。

林田直樹さんからのおススメ

カバリエで思い出に残るのは、覇気にあふれる若手新人指揮者だったころのムーティが、ニューフィルハーモニア管とEMIに録音した《アイーダ》全曲盤です。
歌手がカバリエ、ドミンゴ、コッソット、カプッチッリ、ギャウロフと超豪華でザルツブルク音楽祭のカラヤン盤が出るまではこれで《アイーダ》に親しみました。

ひとつ選ぶとしたら、第1幕の「勝ちて帰れ」を挙げておきましょう。

井内美香さんからのおススメ

この上もなく美しい音色と、信じられないほどのヴォーカル・テクニックをもっていたカバリエは、舞台での輝きも超一流だった。
その彼女の美質がすべて表れているのがチレア作曲のオペラ《アドリアーナ・ルクヴルール》だ。アリア「私は創造の神のいやしいしもべ」は、コメディー・フランセーズの花形女優の芸に対する心意気が、これ以上ない優美な歌で紡ぎ出される。

東端哲也さんからのおススメ

日本のオペラ・ファンにとっては、ヴェルディ後期やプッチーニのヒロインなど、重くドラマティックな役柄で人気を集めたカバリエだが、彼女の原点はベルカント・オペラ(19世紀半ばのドニゼッティ、ロッシーニ、ベッリーニなどの作品)。
マリア・カラスが切り拓いた「ベルカント・リヴァイヴァル」の流れをジョーン・サザランドらと引き継ぎ、1960年代にセンセーショナルな成功を収めたのが、その輝かしいキャリアの始まりだった。

この『DIVA:Montserrat Caballé』というベスト盤シリーズに収められている、ベッリーニ《清教徒》第一幕のエルヴィラのアリア「私は美しい乙女」は、ムーティ指揮&フィルハーモニア管弦楽団による全曲盤(1979年録音)から。当時のカバリエの声は既に強力なリリコ・スピント(抒情的かつ力強い声をもつソプラノ)へと成長していたが、この曲に求められる華麗な装飾歌唱技術は健在で、加えてスケールの大きな堂々たるDIVAの風格を示している。

モンセラート・カバリエ(Monserrat CABALLE 1933-2018)

1933年4月12日生まれ、スペイン・バルセロナ出身のソプラノ歌手。テノール歌手のベルナベ・マルティは夫、ソプラノ歌手のモンセラ・マルティは娘。
リセオ音楽院などで学び、56年にバーゼル市立劇場でデビュー。65年に《ルクレツィア・ボルジア》のタイトルロールを歌い、一躍脚光を浴びる。《ファウスト》のマルグリートでメトロポリタン歌劇場にデビューを飾って以来、イタリアオペラを中心とした幅広いレパートリーで活躍。輝かしいコロラトゥーラと完璧なダイナミクスのコントロールで大いに絶賛される。92年のバルセロナ五輪テーマソングにクイーンのフレディ・マーキュリーとのデュエット曲がに選ばれ話題に。 2018年10月6日に死去。85歳没。

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