2020.02.20
おやすみベートーヴェン 第67夜【天才ピアニスト時代】
ハイベルのバレエ《邪魔された結婚》から「ヴィガーノ風メヌエット」主題による12の変奏曲——人気を博したバレエの主題をベートーヴェンがピアノ曲に
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
人気を博したバレエの主題をベートーヴェンがピアノ作品に ハイベルのバレエ《邪魔された結婚》から「ヴィガーノ風メヌエット」主題による12の変奏曲
天才的なバレエ・ダンサーで振付師であったサルヴァトーレ・ヴィガーノが主演した、オーストリアの作曲家ハイベルによるバレエ《邪魔された結婚》は、1795年5月18日にウィーンで上演され、人気を博す。
このバレエの中の、奇妙な4拍子の「ヴィガーノ風メヌエット」主題によるベートーヴェンの変奏曲は、1796年2月に出版。作曲は、おそらく1795年暮れまでには終わっていたと思われる。
第2拍にアクセントをもつ特徴的な主題による8+8の16小節主題で、後半が反復される。第4変奏と第7変奏がハ短調のミノーレ変奏(短調の変奏)となっている。
解説:平野昭
ハイベルのバレエは、初演された1795年だけで39回も上演された人気作だったそうです。ベートーヴェンは同年に早速、その主題をピアノ変奏曲に仕上げたのですね。
作品紹介
ハイベルのバレエ《邪魔された結婚》から「ヴィガーノ風メヌエット」主題による12の変奏曲WoO68
作曲年代:1795年(ベートーヴェン25歳)
出版:1796年2月/3月
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