ウムラウフのジングシュピール《美しい靴屋の娘》への2つの幕間アリア——歌芝居の幕間のために作曲されたテノールとソプラノのアリア
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ウムラウフのジングシュピール《美しい靴屋の娘》への2つの幕間アリア
イグナツ・ウムラウフは、のちに親友となり《フィデリオ》再演や《第九》交響曲初演の指揮をした宮廷劇場コンサートマスターのミヒャエルの父で、舞台音楽に定評のあった作曲家。彼のジングシュピール(ドイツ語の歌芝居)が1795年4月に再演(初演は1779年6月)されるときに、ベートーヴェンに2曲のアリアの作曲依頼があって書かれたもの。
第1曲は、テノールのための《おお、なんという人生だ》(旋律はゲーテの詩による《5月の歌》Op.52の第4曲と同じ)。4分の2拍子のアレグレットで、しなやかに人生の喜びが歌われる。
第2曲はソプラノのための《靴のきついのはお嫌いですか》で、シチリアーノ風のリズムをもつ8分の6拍子でトリル装飾に特徴のある旋律を歌う。「足にぴったりとした靴を作るのはなんと大変なこと」。
解説:平野昭
ジングシュピールの幕間のために作曲された作品ですが、残念ながらウムラウフの《美しい靴屋の娘》は、現在では上演される機会がほとんどないようです。テノールとソプラノ、趣の違うふたつのアリアをお楽しみください。
ウムラウフのジングシュピール《美しい靴屋の娘》への2つの幕間アリアWoO91
作曲年代:1795年3~4月(ベートーヴェン25歳)
出版:1888年
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