短期連載「もっと知りたい! だから楽しい! 電子ピアノの旅 2018」file.01

春畑セロリさんが弾く! 響板に木製鍵盤……アコースティックの魅力を封じこめたカワイCA98

レポート
2018.10.20

各社が技術の粋を集めて開発にしのぎを削り、驚くほど多機能、高性能となっている昨今の電子ピアノ。それゆえ各楽器の違いをすぐにはつかみづらく、楽器選びに悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで、人気作曲家・春畑セロリさんと、各社の電子ピアノを巡る旅へ出かけることに! 特に知っておきたいポイントや活用法を、セロリさんが実際に弾いてお伝えしていきます。皆さんもぜひ、お気に入りの楽器を見つけてください。

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取材・文:飯田有抄
撮影:武藤章
提供:河合楽器製作所
旅する人
春畑セロリ 作曲家
春畑セロリ
旅する人
春畑セロリ 作曲家
東京藝術大学卒。鎌倉生まれ、横浜育ち。舞台、映像、イベント、出版のための音楽制作、作編曲、演奏、執筆、音楽プロデュースなどで活動中。さすらいのお気楽者。主な著作に、ピ...

今回は、カワイ表参道の2階にあるコンサートサロン「パウゼ」へ。

パウゼのステージに置いてあったのは、CA98です。カワイの電子ピアノのいくつかのシリーズの中で、CAシリーズは木製鍵盤などアコースティックに近づいている本格的な楽器。その中でもCA98は、最上位モデルです。

毎日楽しくピアノを弾くのに特に大事なポイント、「音」、「タッチ」、「操作性」の3つを中心に、自作曲を弾いて試していくセロリさん。その表情は、真剣そのもの!

知りたいポイント その1:音

SK-EXの音色が響板から鳴り響く

「うわ~、気持ちイイ!」

和音をポロンと弾き鳴らしたセロリさんから、開口一番で飛び出した言葉です。ふわりと柔らかく、クリアで、遠くまで届くようなサウンド。カワイの最高峰のフルコンサートグランドピアノ「SK-EX」の響きです。

最新デジタルピアノCA98は、SK-EXの音色を搭載。しかもその響きは、オンキヨー株式会社と共同で開発したスピーカーシステムから再生されます。きめ細かい音が、楽器の背面につけられた「TWIN DRIVE」響板スピーカーから放たれます。このスピーカーは特殊なシステムで、大きな木製の響板を実際に振動させて発音しています。中高音域と低音域それぞれに付けられた加振器は表面からは見えませんが、響板に触れるとしっかりと振動が伝わります。

セロリさんがピアノ曲《イリオモテヤマネコ》を弾いてみると、温かく包まれるような響きがしました。

「TWIN DRIVE」響板スピーカー
楽器の背面につけられた「TWIN DRIVE」響板スピーカー。

知りたいポイント その2:タッチ

木製鍵盤でタッチも自分好みに

鍵盤はすべて木製です。ハンマーを跳ね上げるグランドピアノのシーソー構造と同様の仕組みで動きます。鍵盤をゆっくり押し下げると、カクッと感じられる「レットオフ・フィール」も再現。グランドピアノづくりで培われたカワイのこだわりが生かされています。

アコースティックの楽器では、調律師さんがハンマーの硬さを変えるなどして微妙な調整を行ないますが、「コンサートチューナー」機能を使うと、自分好みの「軽さ」「重さ」などにタッチを調整することができます。しかし、これはデジタル楽器。鍵盤の重さが本当に変わるのではなく、実はスピーカーから再現される音の、タッチによる変化の度合いが変わるのです。

「指に触れる感覚では、実際に鍵盤が重くなったり軽くなったりしたように感じます。脳が騙されているんでしょうね(笑)。とても不思議!」とセロリさんもびっくり。ペダルの感触も変更することができます。

木製鍵盤の下におもり、カウンターウェイト
木製鍵盤の下におもり(カウンターウェイト)が付いているので、弱いタッチの演奏も軽やか

知りたいポイント その3:操作性

スマホ感覚で簡単操作、譜面立ても優秀

パッと見て、とてもスッキリとしたデザインのCA98。ここではご紹介しきれないほど、バラエティ豊かな機能が満載なのですが、ボタン類がありません。

「全部ここでできるんですね!」とセロリさんが触れたのは、鍵盤の左側にあるカラー液晶タッチパネル。ちょうど、大きめのスマートフォンくらいのサイズ。画面をタッチしたりスワイプしながら、スマホ感覚で項目を選んで操作できます。簡単!

レッスン現場や自宅で意外と重宝しそうなのが、6段階に角度を調整可能な譜面立て。かなり寝かせることもできるので、セロリさんにとっては「楽譜を書くのに便利!」とのこと。

操作はすべて鍵盤左側のタッチパネルでできる
「楽譜立てを寝かせると相手の顔が見えるので、アンサンブルにも便利ですね」とセロリさん。右はカワイ表参道店の中條豊さん

セロリさんのオススメ活用法

練習にフル活用! ~左右別々に再生もできる録音機能

響きやタッチの進化が目覚ましいCA98ですが、デジタル楽器こそがもつ基本的な強みは、練習ツールとして大活躍してくれます。

たとえば録音機能。左右別々に演奏したものを録音・再生し、それに合わせてもう片方の手の練習に集中できます。録音源のテンポを変化させたり、多重録音もできますよ。ハーモニーや伴奏部分のパターンを録音しておいて、メロディだけ即興するといった、高度な(!?)遊びも楽しめそう。

マニアックに楽しめる! ~自分で音を作ってみる体験

小さなお子さんはこれから耳が育つので、なるべくアコースティックの響きを経験してほしいけれど、大人はすでに良い楽器の音を知っているので、CA98はそれを追体験させてくれますね。

「コンサートチューナー」機能を使ってグランドとアップライトの音の違いを作る、といった体験は楽しいかもしれません。ロボットの構造から、逆にリアルな人体の仕組みを知ることがあるように、デジタルで体験して、アコースティックの仕組みを学んでもらう。大人の知的好奇心を誘いますね。

周囲への音が気になる場合でも! ~耳にやさしいヘッドフォンで

忙しくて練習時間がなかなか取れない、働き盛りのあなたに。遅い時間になっても、CA98はヘッドフォンを使って弾くのも楽しい楽器です。音の広がりを3種類から選べたり、オープン、インナーイヤーなど、ヘッドフォンの種類に応じて、最適な音質も選べます。長時間使っても疲れないのだそうです。

普段使いのイヤフォンとも比較して、ヘッドフォンを使ったときの音質をチェック!

みんなで盛り上がろう! ~1本指でもアンサンブル

ゲーム感覚で演奏を楽しめる「コンサートマジック」機能を使って、クリスマス会などのパーティを盛り上げましょう! 指1本で、内蔵曲に表情をつけて演奏できるので、家に来てくれたお友だちも参加可能。「うまくテンポに乗れるか選手権」などを開催し、みんなで盛り上がりましょう!

楽器の情報
待望の黒艶モデルも新登場!

デジタルピアノCA98EP 黒艶出し塗装仕上げ(新色!)

価格:450,000円(税抜)/寸法:高さ94cm×幅145.5cm×奥行46.5cm/重量:91kg

※プレミアムローズウッド調仕上げ(CA98R)は380,000円(税抜)/重量:85kg

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