ディズニーの映画音楽がフル・オーケストラで! 「ディズニー・オン・クラシック2018」
今年も「ディズニー・オン・クラシック」の季節がやってきました。ディズニー・ミュージックを生のオーケストラと、一流の歌手で楽しめる人気コンサートです。
ミッキーマウス生誕90年の今年は、ミッキーのデビュー作『蒸気船ウィリー』の映像にオーケストラがライブ演奏、2016年『アナと雪の女王』2017年『塔の上のラプンツェル』につづいて今年フィーチャーされる映画『ヘラクレス』を、ミュージカルのように楽しめる盛りだくさんな内容。
ディズニー・ミュージックの著書や、解説者としてテレビ出演もしている谷口さんが公演をいち早く体験、皆さまに全力でおススメします!
富山県出身。東京学芸大学大学院にて修士号(教育)を取得後、2003年フロリダ州立大学にて博士号(音楽学) を取得。専門はアメリカのクラシック音楽で、博士論文のテーマは...
音楽を楽しむのに絶好のシーズンがやってまいりました。
そしてこの秋、外せないのはディズニー・オン・クラシックです。ディズニー・ミュージックの本も書いている私ですが、数々のディズニー・ソングは、やっぱり映画を楽しむ大きな要素ですよね。
「ディズニー・オン・クラシック」は、そんなディズニー・ソングを迫力あるオーケストラの生演奏、ゴージャスな歌い手の皆さんとで味わい、ホールが一体となる感動を持てるコンサートなのです。
今年でミッキーは90周年! 映像とオーケストラの完璧なシンクロを楽しもう
特に2018年秋の公演で大注目なのが第1部の『蒸気船ウィリー』です。「すべては、一匹のネズミから始まった」とはウォルト・ディズニーの言葉ですが、この作品こそ、ミッキーマウス・シリーズの記念すべき公開第1作なのです。
1928年に世界デビューということですから、ミッキーは今年90歳! なんていうと、かなり昔の作品に思えますが、思わず笑ってしまうお客さんの反応からもわかる通り、その面白さはまったく古びていません。もちろん当時の撮影・録音技術は今よりもずっと原始的なものだったかもしれません。しかし絵と音が一体化したアニメーションの魅力は画期的でした。
背景に聴こえてくる《わらの中の七面鳥》は、もちろん楽しいのですが、あちこちに飛び出す効果音が笑いのツボです。今回はオリジナルの再現演奏ということなのですけれど、さすがプロの方々、音楽も効果音もピッタリ合っていました。
画面を見ながら目の前で笑い声や効果音をアフレコされるヴォーカルやオーケストラ・ジャパンのみなさん、さぞかし大変だったでしょう。しかしMCのささきフランチェスコさんが教えてくれなければ、その大変さがわからないくらい精度の高いシンクロ度。まったくもって驚かされました。やはりこの名作あったからこそミッキーが世界を席巻したのです。
左:進行役のささきフランチェスコ(左)と、第1回から指揮・編曲をつとめ、今回のツアーで勇退を発表したブラッド・ケリー(右)
上:シンガーたちはニューヨークでのオーディションで選ばれた実力者揃い
『リトル・マーメイド』『アラジン』『美女と野獣』... 名作揃いのアラン・メンケン・セレクション
『蒸気船ウィリー』の次はアラン・メンケン・セレクション。ディズニー・ファンには作曲家メンケンさんの名前はすっかりおなじみですね。
『リトル・マーメイド』に始まるディズニー・ルネサンスの立役者であります。しかも今回のセレクションは《パート・オブ・ユア・ワールド》《美女と野獣》《ホール・ニュー・ワールド》など名曲ぞろい。
歌い手さんたちは、しなやかな声で私たちを魅了する一方、力強く訴える表現力には思わず涙腺が緩みます。そして『ポカホンタス』の《カラー・オブ・ザ・ウィンド》のメリハリの効いたテンポ、『塔の上のラプンツェル』の《輝く未来》の2人の声が一緒になった瞬間などには、心の高揚がありました。当日はさらにもう1曲サプライズ・ナンバーがあり、会場は手拍子で盛り上がりました。
今年のテーマは“Find Your Hero ~そして君のもとへ”
第2部は『ヘラクレス』の音楽全29曲です。映画では採用されなかった《シューティング・スター》の日本初演奏も含めての演奏です。
『ヘラクレス』という映画、ご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれません。そのお話は……と説明してもよいのですが、実は映画の筋を知らなくても大丈夫。というのも、今回のステージでは主題歌・挿入歌が連続して歌われるだけでなく、物語の理解に必要なセリフも交えて上演しているからです。
さらに『ヘラクレス』の音楽には、ゴスペルでストーリーを語ってくれるミューズさんたちが、映画と同じように、よきガイド役として登場しています。英語の歌唱とセリフですが、日本語字幕もスクリーンに映し出されますから心配はいりません。全体がアップテンポでエネルギッシュに進んでいきます。
その一方で、英雄ヘラクレスのための勇壮なファンファーレも登場します。そのサウンドは、ギリシャ発祥の国際スポーツの祭典オリンピックを思い出させます。愛のために命をも惜しまない真のヒーローの勇壮な姿が、メンケンの素晴らしい音楽で描かれていきます。
映画作品を知る方は、生命力溢れる音楽をディープに堪能していただきたいですし、映画をご覧になってない方も、このダイナミックな音楽を聴けば『ヘラクレス』を観てみたくなるでしょう。
そのほか、冨田勲さんが作曲された《オーケストラと光のコンチェルト 東京ディズニーシー アクアスフィア・プラザ~デイ》も聴けました。冨田さんといえば、私などは手塚治虫のアニメ作品の音楽を思い出すのですが、その手塚さんも『白雪姫』や『バンビ』など、クラシック・ディズニーに多大な影響を受けた方でした。
そんな感じで『ディズニ・オン・クラシック』2018年秋、私は第2日目を楽しみました。プレミエ回ということで、最後に会場の皆さんの出演者写真撮影タイムもありました。会場総立ちで盛り上がったコンサートでした。
みなさんも、お近くの会場で行なわれる公演に出かけてみてくださいね。
指揮・編曲: ブラッド・ケリー
オーケストラ: THE ORCHESRA JAPAN
ナビゲーター: ささきフランチェスコ
ヴォーカリスト:
Corey Mosello, Austin Rivers, Dillon Heape, Garrison Carpenter, Adrienne Eller, Allie Seibold, Ana Marcu, Cecilia Snow
12月24日(月・休)まで全国27都市51公演
10/8日(月・祝)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(愛知)
10月9日(火)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(愛知)
10月12日(金)アクトシティ浜松 大ホール
10月13日(土)秦野市文化会館
10月14日(日)松戸・森のホール21
10月19日(金)宇都宮市文化会館
10月20日(土)シェルターなんようホール(南陽市文化会館)
10月21日(日)とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)
10月26日(金)本多の森ホール(旧石川厚生年金会館)
10月28日(日)富山オーバード・ホール
11月2日(金)大宮ソニックシティ ホール ★
11月3日(土・祝)ベイシア文化ホール(群馬県民会館)
11月4日(日)ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
11月9日(金)札幌文化芸術劇場hitaru
11月10日(土)札幌文化芸術劇場hitaru
11月13日(火)オリンパスホール八王子
11月16日(金)東京国際フォーラム ホールA
11月17日(土・昼)東京国際フォーラム ホールA
11月17日(土・夜)東京国際フォーラム ホールA
11月18日(日)東京国際フォーラム ホールA
11月21日(水)高知県立県民文化ホール オレンジホール
11月23日(金・祝)アスティとくしま 多目的ホール
11月24日(土)和歌山県民文化会館
11月25日(日)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
11月27日(火)市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
11月28日(水)久留米シティプラザ・ザ・グランドホール
11月30日(金)福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
12月1日(土)鹿児島市民文化ホール 第一
12月2日(日)広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
12月6日(木)サントリーホール
12月7日(金)横浜みなとみらいホール 大ホール
12月8日(土)所沢市民文化センター ミューズアークホール
12月9日(日)すみだトリフォニーホール
12月12日(水)静岡市民文化会館 大ホール
12月14日(金)岐阜・長良川国際会議場メインホール
12月15日(土)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(愛知)
12月16日(日)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(愛知)
12月20日(木)東京国際フォーラム ホールA
12月21日(金)東京国際フォーラム ホールA
12月22日(土)神戸国際会館 こくさいホール
12月23日(日・祝)フェスティバルホール(大阪)
12月24日(月・休)フェスティバルホール(大阪)
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