カーチュン・ウォンが日本フィルハーモニー交響楽団の次期首席指揮者に!
シンガポール出身の指揮者、カーチュン・ウォンが2023年9月に日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任する。任期は5年間で、年3回のサントリーホールでの東京定期演奏会をはじめとする年間12公演のほか、九州公演を筆頭に日本全国、またアジア諸国への楽旅も企画していくという。
2022年5月18日に行なわれた就任記念会見で、日本フィルハーモニー交響楽団理事長の平井俊邦は、「音楽面と社会面、双方のリーダーシップに期待したい」と述べた。日本フィルハーモニー交響楽団は社会貢献、教育活動と地域活動、東北地方で行なっている「被災地へ音楽を」にも力を入れており、ウォンはこういった活動にも積極的な姿勢を示している。
会見でウォンは、日本フィルハーモニー交響楽団の魅力として「すでに“日フィルサウンド”がある」ことを挙げ、「オーケストラ独自の音は、守るべきものであり、発展させるべきもの。5年間かけて音作りを確立したい」と語った。
さらにウォンは、重点的に取り組みたい作品として、マーラー、邦人作曲家、民族・民謡の3つを掲げ、日本フィルハーモニー交響楽団との展望を明らかにした。マーラーは、その名を冠したコンクールで優勝したことや、孫娘マリーナ・マーラーとの親交が深いことから、思い入れの深い作曲家。また、シンガポール出身のウォンだからこそ、日本の伝統を守る姿勢と新しいものを取り入れる側面が共存していることに魅力を感じ、日本人の作品を取り上げたいという。そして、民族・民謡ではバルトークやヤナーチェク、ミャスコフスキーの作品を演奏予定。最後に、「社会的な意味をもつ組織」であることを目指し、社会に美しい音楽を届けられる仕組みを構築したいと語った。
カーチュン・ウォン自身が「こんな映像を作りたい」とこだわったマーラー「交響曲第5番」の動画。マリーナ・マーラーからのコメントも。
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