レポート
2025.09.16
月刊誌『音楽の友』編集部 Presents

【取材の裏側】音楽家・阪田知樹の脳内を覗く! 『音楽の友』9月号表紙&特集 4DAYS

『音楽の友』9月号で掲載している特集「シリーズ ―アーティストを読むVol.2 阪田知樹」。ここでは4日間にわたり行なった取材、撮影の様子を写真とともにお届け。ぜひ誌面と併せて、お楽しみください!

音楽の友 編集部
音楽の友 編集部 月刊誌

1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...

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『音楽の友』9月号表紙・特集の人 阪田知樹(ピアニスト、作・編曲家)

阪田知樹(p、作・編曲家)
1993年、名古屋市生まれ。2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、6つの特別賞。2021年エリーザベト王妃国際音楽コンクール第4位入賞。東京藝術大学を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンゲン国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1 位及び聴衆賞。国内はもとより、世界各地20カ国以上で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。2015 年CD デビュー、2020 年3月、世界初録音を含む意欲的な編曲作品アルバムをリリース。阪田知樹ピアノ編曲集『ヴォカリーズ』を2022年に、《夢のあとに》を2023年に、阪田の作曲した「アルト・サクソフォーンとピアノのためのソナチネ」が23年に音楽之友社から出版。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞、2023年第32回出光音楽賞、第72回神奈川文化賞未来賞、第20回ベストデビュタント賞を受賞。

DAY1  大学時代の同級生ピアニスト・務川慧悟さんと対談

Bunkamuraオーチャードホールのロビーで対談。11月3日のデュオ公演「Pianos’ Conversation」に向けての内容でした。東京藝術大学の同級生であるお二人。相性のよさを感じさせる会話の数々でした。前方は聴き手の山野雄大氏。

右から阪田知樹さん、務川慧悟さん
アザーカット大公開!? メインカット撮影では、目線を上に見上げるようなパターンも撮っていました

DAY2 雑誌の表紙撮影、巻頭インタヴュー、「阪田知樹ワールド」の取材

表紙撮影の場所は「音楽の友ホール」。シャンデリアの下で、たくさんポーズを取っていただきました。素敵な衣裳はイッセイミヤケ。

『音楽の友』本誌の表紙撮影
別冊付録『コンサート・ガイド & チケット・インフォメーション』の表紙撮影

特別付録「チケットホルダー Tomoki Sakata Plays Liszt」の撮影現場。指先を撮影しているときに、阪田さんが演奏してくださったのがリスト《愛の夢第3番》でした。この空間をインスピレーションに、デザインをまとめ、企画内容を詰めていきました。当初の名称案は「愛の夢 チケットホルダー」。

特別付録「チケットホルダー Tomoki Sakata Plays Liszt」の撮影現場

特別付録「チケットホルダー Tomoki Sakata Plays Liszt」

阪田知樹さんのリスト「《愛の夢》第3番」演奏シーンを切り取ったチケットホルダー
表面には阪田さんのサイン、内ポケットには「Liebesträume」(《愛の夢》のドイツ語名)。いずれも阪田さんの直筆

表紙、付録の撮影を経て、巻頭インタヴューの取材。日々の音楽生活、秋のスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団との来日公演にむけて話をききました。

場所を移動し、「ようこそ、阪田知樹ワールドへ」の取材の準備。偏愛するクラシカル録音から、初版譜、書籍など、たっぷりお話ししていただきました。

写真撮影前にニコリ
ご持参してくださった偏愛グッズとともに撮影

阪田さんが10歳のころ、色々なCD聴き比べに活用していたというムック『ピアノとピアニスト2003』(音楽之友社)。ページを開くと、当時の阪田少年が書いた印が!

印がたくさんついている!

DAY3  大好物・ユーハイムのバウムクーヘンと夢の共演

3日目は、特集の特別企画「阪田知樹、バウムクーヘンで曲を作る!?」の取材。阪田さん大好物のバウムクーヘンと撮影(商品提供・取材協力:ユーハイム)。

カメラマンのレフ板もバウムクーヘン型!

聴き手の小室敬幸氏と試食(もぐもぐタイム)も!

バウムクーヘンの切り分け作業は阪田さんがやってくれました!

実際に「バウムクーヘン」をテーマにした作品のスケッチを書いてくださった阪田さん!貴重な直筆譜は誌面に掲載。

ファンのかたからの贈り物「バウムクーヘンTシャツ」
背中側には、視力検査のようなデザインが!

DAY4 楽譜と作曲家への愛を語る!

取材時間より早めにご到着の阪田さん。『アルベニス 生涯と作品』(上原由記音 著/石田一志 監修、音楽之友社)を読みながらお待ちいただきました。

取材前にパチリ

「阪田知樹の楽譜ができるまで」と「私的作曲家考」の2本連続取材スタート。音楽之友社から刊行されている楽譜と、その直筆譜が机に並んでいます。

弊社楽譜課協力で、『阪田知樹ピアノ編曲集 夢のあとに』の自筆譜、初版⇒三校までの自筆譜、校正済みの楽譜を準備しました
聴き手の上田弘子氏が、阪田さんが楽譜に込めた思いをキャッチ! 阪田さんに解説していただきました。
自筆譜を前に思考を巡らせる阪田さん
特集の編集後記

阪田さんのお話はとにかくおもしろい!

その湧き出て止まらない好奇心はどこからくるのだろう…… 阪田さんに取材をさせていただくたびに見識の深さ、多彩な引き出し、豊かな感性に触れ、心動かされるものがありました。

そこで今回の特集は多岐にわたる企画を並べ、阪田さんの脳内を覗けるような、演奏や創作の源に近づけるような内容を目指しました。

打ち合わせ、数日間にわたる取材・撮影をはじめ、阪田さんがどんな企画内容でも前向きに、柔軟に対応してくださったからこその今回の特集。ありがとうございました!!

特集「シリーズ ―アーティストを読むVol.2 阪田知樹」が読めるのは『音楽の友』9月号

特集 ●シリーズ ―アーティストを読むVol.2 阪田知樹

(阪田知樹/伊熊よし子/中 東生/馬場有里子/池田卓夫/上田弘子/務川慧悟/山野雄大/満津岡信育/小室敬幸)

【特集の概要】

現代に活躍するアーティストにスポットをあてる特集「シリーズ――アーティストを読む」。第2弾は、ピアニスト、作曲・編曲家として活躍する阪田知樹を取り上げる。ピアニストとして、単独リサイタルやオーケストラへの容演、室内楽に取り組むほか、定期的に開催されている大規模な全曲演奏会(ベートーヴェン、ラフマニノフ、リストなど)はつねに話題を呼んでいる。いっぽう、作曲・編曲家としてもその才能を発揮。楽譜が出版されるほか、自らの指揮で新作の初演を行うなど、まさに八面六臂の活躍ぶり。当特集では、そんな阪田知樹の音楽観や創作の源に迫り、その魅力を多角的に紐解いていく。東京藝術大学の同級生でピアニストの務川慧悟との対談も必読。

 

詳細はこちら から

※電子版もございます

阪田知樹 演奏会情報
阪田知樹×ブラームス カーキ・ソロムニシヴィリ指揮 スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団

日時・会場:11月28 日19 時・東京芸術劇場コンサートホール
曲目:ブラームス「ピアノ協奏曲第1・2 番」、他
問合せ:ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212

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阪田知樹ピアノ・リサイタル TOMOKI PLAYS SAKATA + vol.2

日時・会場:9 月27 日15 時・電気文化会館ザ・コンサートホール
共演:森岡聡(vn)
曲目:ベートーヴェン《エリーゼのために》、「ピアノ・ソナタ第14 番《月光》」「ヴァイオリン・ソナタ第8 番」、J.S. バッハ(阪田編)《アダージョ》BWV564、阪田知樹《ハノン氏によるワルツ》、同「ヴァイオリンとピアノのための新作」(世界初演)、他
問合せ:CBC テレビ事業部052-241-8118

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Pianos’ Conversation 2025

日時・会場:11 月3 日15 時・Bunkamura
オーチャードホール
出演:阪田知樹、務川慧悟(以上、p)
曲目:シュミット《3 つの狂詩曲》から「第1 曲〈フランス風〉」、ドビュッシー(ラヴェル編)《3 つの夜想曲》、ラヴェル《スペイン狂詩曲》、同《耳で聴く風景》、プーランク「2 台のピアノのためのソナタ」、ガーシュウィン(パーシー・グレインジャー編)「歌劇《ポーギーとベス》による幻想曲」
問合せ:Bunkamura チケットセンター03-3477-9999

詳細はこちら

巡礼の旅 ~ 阪田知樹と辿るベートーヴェンとリストの軌跡 第9回 「2人の大作曲家とシラー」(最終回)

日時・会場:12 月26 日19 時・Hakuju Hall
出演:阪田知樹(p)、望月哲也(T)
曲目:リスト《シラーのヴィルヘルム・テル》から〈3 つの歌〉、ベートーヴェン(リスト編)「交響曲第9 番《合唱》」
問合せ:Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700

詳細はこちら

新刊情報
標準版ピアノ楽譜 『リスト 練習曲集』

演奏の助言・運指:阪田知樹
解説:上田泰史
音楽之友社
※10 月中旬発売予定

 

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