連載
2025.07.17
万里生クラシック! vol. 2

田代万里生の音楽ヒストリー②トランペットに夢中になった中高時代

ミュージカルをはじめ、多彩なフィールドで活躍を続ける田代万里生さんが、自身の音楽のルーツをたどりながら、愛するクラシック音楽や音楽家たちと語り合う連載。第2回は、吹奏楽部やオーケストラでトランペットに打ち込んだ中高生活や、スカラ座での衝撃体験について話します。

田代万里生
田代万里生 ミュージカル俳優

東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。3歳からピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。1...

取材・構成
弓山なおみ
取材・構成
弓山なおみ ライター/コラムニスト

フランス留学後、ファッション誌『エル・ジャポン』編集部に入社。その後『ハーパース バザー』を経て、『エル・ジャポン』に復帰。カルチャー・ディレクターとして、長年、映画...

カメラマン:各務あゆみ
スタイリスト:石山貴文

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吹奏楽部の見学でトランペットに一目惚れ

中学に入学した頃、ようやく1年振りに松葉杖なしで歩けるようになったものの、医師からはまだ股関節に負担のかかるスポーツを禁じられていました。本当はバスケットボール部に入りたかったんです。マンガの『スラムダンク』が流行っていたので(笑)。

それで少し落ち込んでいたら、隣の小学校から来た知らない男の子が、「君、ピアノが上手な万里生くんだよね? 音楽好きなら吹奏楽部の体験入部に一緒に行こうよ!」って誘ってくれたんですよ。その子は隣の小学校でありながら、僕が男の子なのに合唱祭などでピアノや指揮をしていることを噂で知っていたのです。

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田代万里生(たしろ・まりお)
東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科声楽専攻(テノール)卒業。音楽の教員免許(中学・高校)資格を取得。絶対音感の持ち主でもある。3歳から母よりピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。ピアノを三宅民規、御邊典一、川上昌裕、吉岡裕子、声楽を直野資、市原多朗、岡山廣幸、野口幸子に師事。13歳のとき、藤原歌劇団公演オペラ《マクベス》のフリーアンス王子役に抜擢。大学在学中の2003年東京室内歌劇場公演オペラ《欲望という名の電車》日本初演で本格的にオペラデビュー。その後09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。
近年の主な出演作に『イノック・アーデン』『ラブ・ネバー・ダイ』『モダン・ミリー』『カム フロム アウェイ』『アナスタシア』『マチルダ』『エリザベート』『マタ・ハリ』『マリー・アントワネット』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。ミュージカルデビュー15周年記念アルバム「YOU ARE HERE」発売中。7月より『キャプテン・アメイジング』、10月より『エリザベート』に出演予定。

それで、まったく関心がなかった吹奏楽部に行ったら、中学生がキラキラ光り輝くフルートやトランペットを持っている! オーケストラピットに憧れていた当時の僕にとって、金管楽器は大人が持つイメージだったのに、同世代の子どもが普通に楽器を持っていることにカルチャーショックを受けて。

そして、初めて金管楽器を間近で見た僕は、ピカピカに光るトランペットに一目惚れ! 理由は単純で、「天空の城ラピュタ」のパズーが好きだったから(笑)。僕の名前の由来でもある、オペラ歌手のマリオ・デル・モナコが“黄金のトランペット”と呼ばれていたので、運命的なものも感じました。

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