今週の音楽家の名言【ピアニスト・金子三勇士】
Webマガジン「ONTOMO」でインタビューをした音楽家の記事から、心に響く名言をお届けします。今週はピアニスト・金子三勇士さんの名言をどうぞ。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
人はストレスを抱えたとき、無意識に“原点”を求めるのでしょう。
――「ONTOMO」2022.02.20 インタビューより
金子三勇士がハイリスクな挑戦?「第九」ピアノ版を自分の演奏録音との2台ピアノで
ハンガリーと日本、ふたつの文化をルーツに持ち、幅広いレパートリーとしなやかな感性で聴き手を魅了するピアニスト、金子三勇士さん。
この言葉は、2022年のインタビューで、音楽や芸術が人の心に与える力について語った中で生まれたものです。
変化が多く、情報にあふれた日々のなかで、ふと立ち止まりたくなるときがあります。そんなとき、人は知らず知らずのうちに、自分の“原点”を探しているのかもしれません。
金子さんのこの一言には、そんな静かな気づきがあります。
“原点”とは、何かを始めたときの気持ちかもしれないし、安心できる風景や、心がほどけるようなひとときかもしれません。
それは人それぞれ違っていても、「立ち返れる場所がある」ということが、心を守る力になります。
芸術とは、そっと寄り添い、原点を思い出させてくれる存在。金子さんの言葉は、そんな音楽の役割をあらためて感じさせてくれます。
1989年、日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれる。6歳より単身ハンガリーに留学。11歳よりハンガリー国立リスト音楽院大学に入学、16歳で帰国した後、東京音楽大学付属高等学校に編入、清水和音、迫昭嘉、三浦捷子の各氏に師事。
2008年バルトーク国際ピアノコンクール優勝。
第12回ホテルオークラ音楽賞、第22回出光音楽賞など、受賞多数。
これまでにゾルタン・コチシュ、シルヴァン・カンブルラン、ジョナサン・ノット、小林研一郎、広上淳一、山田和樹、鈴木優人、など、国内外の名だたる指揮者と共演。オーケストラではハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団、NHK交響楽団等と共演。これまで20ヵ国近く世界各地で演奏活動を行なう。
近年はライフワークの一環としてアウトリーチ活動も積極的に行っている。NHK-FM「リサイタル・パッシオ」に司会者としてレギュラー出演の他、テレビ、ラジオなど多数メディアに出演。2024年4月に発足した「日本=ハンガリー未来プロジェクト」のエグゼクティブプロデューサーに就任、国家間の文化交流に精力的に取り組んでいる。キシュマロシュ名誉市民。スタインウェイ・アーティスト。
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly