コッポラ監督の父もクラシック畑の出身だった

コッポラ監督の父、カーマイン・コッポラは、ジュリアード音楽院等で学んだフルート奏者で、20世紀前半を代表する世界的指揮者トスカニーニが率いるNBC交響楽団の楽団員だった。

その後、作曲家に転じたカーマインは、息子の映画作品の音楽を相次いで担当。『ゴッドファーザー PART II』『ゴッドファーザー PART III』ではロータとともに、共作者として正式にクレジットされ、アカデミー賞を受賞した。また、世界的に有名になった『地獄の黙示録』で使われるワーグナー〈ワルキューレの騎行〉の選択にも係わった。

いっけんクラシック曲が目立たない『ゴッドファーザー』だが、実はクラシック音楽のスピリットで満たされた映画である。

山田真一
山田真一 (芸術文化研究者、音楽評論家)

シカゴ大学大学院博士課程修了。芸術組織や文化政策などの講義、シンポジウム、セミナーなどを行なう一方、評論活動ではオーケストラ、オペラを中心に、海外在住経験を生かし、直...