
——クラシック業界の人間からすると、今の日本のミュージカル人気は羨ましいというか、どうしたらクラシックが生き残れるのかということを考えざるを得ないのですが、田代さんはそのあたりはどう思われていますか。
田代 クラシックとミュージカルの世界は全然違いますよね。僕も最初はオペラやオペレッタの公演に出ていたからわかりますが、オペラって2公演とか3公演しかないのに、少子化などもあり音大の受験者数や若い演奏家自体も減少しているようですし、オペラ以外のさまざまな娯楽も生まれたり、クラシック愛好家の高齢化もあって、客席がなかなか簡単には埋まらない。一方で、25歳でミュージカル・デビューをしたときに、いきなりシングルキャストで48公演、それがほぼ全席埋まっているということに衝撃を受けました。客層もオペラに比べると明らかに若い印象です。もちろん、どの作品もそううまく集客できるわけではないですが……。
でもその一方、僕はクラシカルクロスオーバーもやってきたんですが、そういう世界を通っているからこそ、児玉さんのような純粋なクラシック音楽の素晴らしさとかかっこよさを今、再認識し、もっともっと広まってほしいと思っているところです。そこで児玉さんに聞きたいのは、今の日本のクラシック業界をどう思うか、ということです。
——なかなかすごいお話になってきました。
田代 彼らの世代が今後の日本のクラシック界を背負っていくことになりますよね。もちろん純粋に音楽を突き詰めていくことは大切だけれど、その中でお客さんをどう増やしていくかっていうことは、今後絶対に意識せざるを得ないと思う。伝統や古き良きものを残すためには、それを守っているだけではダメで、新しいものを取り入れていかなければならないのでは。
歌舞伎なんかは今時の大人気アニメを上演作品に取り上げたり、歌舞伎俳優がジャンル違いのメディアにも露出が多かったり、伝統を守りつつ、新しい取り組みにもかなり積極的ですよね。
児玉 僕が将来的に目指しているのは、格式高く、文化の中で本質を突き詰めるというところですが、そこに到達するために今はいろいろなジャンルをまたいでの活動と、「ザ・クラシック」みたいなコンサートとの両方をやっていくべきだと思っています。どうしたらクラシックを聴く人口が増えるのかはわかりませんが、本当にその音楽を聴きたいと思う人が集まってくるような、そんなコンサートが開ける演奏家を目指したいので、そのためにも今はどんどん露出を増やしています。
大切なのは、自分の核がブレないようにすること。だから、本格的なリサイタルは毎年必ず開催したいですし、同時に、他ジャンルとの交流や新しいことへの挑戦も積極的に行って、学び続ける姿勢を保ちたいと思います。

田代 児玉さんはこうやってショート動画を上げたりして、すでに積極的に新しいことを取り入れていますよね。まさに自ら新しい時代を創っています!
児玉 今の僕が持っているもので挑戦できる曲は、機会があればぜひ演奏したいです。映画音楽も興味があって、モリコーネなんかは大好きなのでどこかで演奏できたらいいなと思っています。
田代 最高! いつかそういう曲を集めたアルバムをつくってください。そしてぜひ、どこかで必ず共演もできますように!

【東京公演】
日程: 2025年10月10日(金)~11月29日(土)
会場: 東急シアターオーブ
【札幌公演】
日程: 2025年12月9日(火)~18日(木)
会場: 札幌文化芸術劇場 hitaru
【大阪公演】
日程: 2025年12月29日(月)〜2026年1月10日(土)
会場: 梅田芸術劇場 メインホール
【福岡公演】
日程: 2026年1月19日(月)~31日(土)
会場: 博多座
出演:
エリザベート(ダブルキャスト) 望海風斗/明日海りお
トート(トリプルキャスト) 古川雄大/井上芳雄(東京公演のみ)/山崎育三郎(北海道・大阪・ 福岡公演のみ)
フランツ・ヨーゼフ(ダブルキャスト) 田代万里生/佐藤隆紀
ルドルフ(ダブルキャスト) 伊藤あさひ/中桐聖弥
ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ 未来優希
ゾフィー(ダブルキャスト) 涼風真世/香寿たつき
ルイジ・ルキーニ(ダブルキャスト) 尾上松也/黒羽麻璃央
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