連載
2026.03.28
万里生クラシック! vol. 10

田代万里生×千住明対談【前編】クラシックとそれ以外、バリアを越えて活躍する二人に共通する想いとは?

ミュージカル作品を中心に、多彩な活動を続ける田代万里生さんが、愛するクラシック音楽を語る「万里生クラシック」。
今回は、田代さんたっての希望で作曲家の千住明さんとの対談をお届けします。東京藝術大学作曲科在学中から、ポップスからテレビや映画の音楽など幅広いジャンルで活躍してきた千住さん。同じように藝大で学び、ミュージカルの世界に羽ばたいた田代さんにとっては「先達」といえます。前編は、お二人の出会いから紐解き、千住明さんの音楽への姿勢や哲学を、田代さんが熱い共感を持って受け止めます。

田代万里生
田代万里生 ミュージカル俳優

東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。3歳からピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。1...

進行・まとめ
室田尚子
進行・まとめ
室田尚子 音楽ライター

東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京医科歯科大学非常勤講師。オペラを中心に雑誌やWEB、書籍などで文筆活動を展開するほか、社会人講座やカルチャーセンターの講...

カメラマン:各務あゆみ

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「ESCOLTA」時代に出会い、12年ぶりに再会!

——今回、お二人は12年ぶりの再会だと伺いました。

田代 千住さんとはボーカルグループ「ESCOLTA」時代に初めてお会いしました。僕は藝大卒業後すぐに「ESCOLTA」のメンバーとしてデビューし、その後ミュージカルの世界に入りましたが、「ESCOLTA」時代が僕の人生のターニングポイントだったと考えています。「ESCOLTA」に入らなければ多分ミュージカルもやっていなかったと思うし、ましてやマイクを使って歌うなんていうことも思いもしなかった。

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ただ、それまではクラシックという西欧の音楽を中心に勉強していたのが、だんだん英語圏の曲も歌うことになったりしていろいろと戸惑うことが多く、そんな中で千住さんが、当時の僕のクラシックの声楽の発声を活かしたメロディを書いてくださって、それがすごく心地よかったことを強烈に覚えています。

千住 たしか、「ブルーマーブル」「今も好きだから〜時は流れて」「パラダ」「愛の流星群~graceful version」、そして阿久悠さんが30年前にタイムカプセルに残した詩をもとにした合唱曲「いつかやがて〜30年後の子どもたちへ贈る言葉〜」の合計5曲をつくりました。

「ブルーマーブル」「愛の流星群」

右:田代万里生(たしろ・まりお)
東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科声楽専攻(テノール)卒業。音楽の教員免許(中学・高校)資格を取得。絶対音感の持ち主でもある。3歳から母よりピアノを学び、7歳でヴァイオリン、13歳でトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。ピアノを三宅民規、御邊典一、川上昌裕、吉岡裕子、声楽を直野資、市原多朗、岡山廣幸、野口幸子に師事。13歳のとき、藤原歌劇団公演オペラ《マクベス》のフリーアンス王子役に抜擢。大学在学中の2003年東京室内歌劇場公演オペラ《欲望という名の電車》日本初演で本格的にオペラデビュー。その後09年『マルグリット』でミュージカルデビューを果たす。
近年の主な出演作に『キャプテン・アメイジング』『イノック・アーデン』『ラブ・ネバー・ダイ』『モダン・ミリー』『カム フロム アウェイ』『アナスタシア』『マチルダ』『マタ・ハリ』『マリー・アントワネット』『エリザベート』等。第39回菊田一夫演劇賞受賞。ミュージカルデビュー15周年記念アルバム「YOU ARE HERE」発売中。5月より『レッドブック~私は私を語るひと~』9月『アニオー姫』出演予定。

左:千住明(せんじゅ・あきら)
1960年東京生れ。東京藝術大学作曲科卒業。同大学院首席修了。修了作品「EDEN」は史上8人目の東京藝術大学買上、同大学美術館に永久保存。
代表作:ピアノ協奏曲「宿命」、「四季」、オペラ「万葉集」「滝の白糸」等。
ドラマ「ほんまもん」「砂の器」「風林火山」「VIVANT」、映画「愛を乞うひと」「黄泉がえり」「追憶」「こんにちは、母さん」、アニメ「機動戦士Vガンダム」「鋼の錬金術師FA」、NHK「日本 映像の20世紀」「ルーブル美術館」NHKスペシャル「平成史」「新・ドキュメント太平洋戦争」、中国ミュージカル「白夜行」、ゲーム「TRIANGLE STRATEGY」等、音楽担当作品多数。
日本アカデミー賞優秀音楽賞4回受賞等受賞歴多数。2019年には、天皇陛下御即位三十年記念式典にて天皇皇后両陛下による著作歌曲「歌声の響」の編曲とピアノを担当。三浦大知、千住真理子と共に記念演奏を披露。大阪万博PASONA館 “NATUREVERSR”のサウンドプロデュース担当。今年活動40周年を迎える。
東京藝術大学を中心としたクリエイティブグループ「SENJU LAB」主宰。
東京藝術大学、大阪音楽大学、徳島文理大学客員教授。2025年度文化庁長官特別表彰。

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