本を読んで好きな表現をコレクション

SNSでも何かトレードマークを作って覚えてもらう方法もありますが、私は自然体でやっています。例えばツイッターって「カレーを食べました。カレー大好き!」と投稿したとしたら「私はクリームシチュー派です。見損ないました」「ビーフシチューは嫌いってことですね」というような思いがけない反応が来るなんてこともあったりするじゃないですか。いろんな人とやりとりするおもしろさもありますが、ほどよい距離感が大切なことも、わかってきました。

パーソナルな部分を知ってもらうには、自分の軸というか、自分の世界をきちんと持ったうえで、それを出していくことが大切だと思います。私の軸は、まだ作っている途中ですけど、ピアノと、話すこと……かな。

ラジオでのお仕事をするよりもずっと前から、もともとラジオが大好きで、暇さえあればずっとラジオを聴いていました。お話やさまざまな音楽など、ラジオから吸収することはとても多いです。

言葉の表現方法を増やしたくなったときには、本を読んでいますね。「この表現のしかた好きだな」と思ったら本の文章をメモ帳に書き写して、自分の好きな言葉を見返せるように、バッグに入れて持ち歩いています。

特に気に入っているのは、写真家の星野道夫さんの『旅をする木』というエッセイです。読んでいるだけで情景が思い浮かぶような、美しい言葉が並んでいます。

山本美芽
山本美芽 音楽ライター

ピアノ教育とジャズ・フュージョンを軸に執筆。ピアノ教本研究家として全国で講演を行なう。著作に「ひとりですいすいひける!はじめてのピアチャレ」1〜3、「練習しない子のた...