
そして、フランスも南仏に近いローヌ地方産の白、ヴァケラスVacqueyras*が続く。「トロピカルフルーツや白桃の風味のねっとり系」という務川さんに、ゲストの方々が「花梨の香りもするような?」「洋梨の風味……?」とそれぞれの感じ方を述べるのも、和気あいあいと楽しい時間だ。
*ヴァケラスVacqueyras:南ローヌ産で品種はグルナッシュ主体の赤ワインが代表的だが、白、ロゼも生産されている。ヴァケラスの白は生産量が少なく、またその南仏らしい風味と品質の高さが近年注目を集めている。シャトーヌフ・デュ・パプの近隣ながら価格は控えめで、コスパの高い銘醸地

メインのブルゴーニュ風ビーフシチュー(隠し味はブラックチョコレートだという)に合わせて、ブルゴーニュ産の赤、フィサンFixin*がサーヴされた。ほろりと柔らかい牛肉、しっかり入った野菜のおかげで、煮込み料理特有の重さがなく、デリケートさと強い骨格をあわせ持つワインを組み合わせたバランス感覚もさすが。
*フィサンFixin:ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ北部に位置し、赤(ピノ・ノワール)が主流だが、白(シャルドネ)も生産されている。力強い構造とエレガントな味わいが特徴で、熟成で真価を発揮。ブルゴーニュ好きにはコスパの高い選択肢として人気がある

イタリア・ワインに格別の思い入れがあるという務川さんが最後に選んだ1本がアマローネAmarone*。「苦味」という意味で、干しぶどうから造られる特殊なワインだという。どっしりとしていながら甘美さもあり、デザートにも申し分なくマッチしていた。
*アマローネAmarone:ヴェネト州産のDOCG(最高格付け)イタリア赤ワイン。ぶどうを数ヶ月乾燥させるアパッシメント製法で凝縮感を高め、アルコール度数14〜17%のフルボディに仕上げる。ドライフルーツやチョコレートのアロマと長い余韻が特徴
宴ののちにも余韻の漂う、演奏会のような一夜。務川さん、Merci beaucoup(どうもありがとう)!