ショパンコンクール予備予選に日本から出場する24名 どのようなピアニスト?経歴は?
この秋開催される第19回ショパン国際ピアノコンクール。その予備予選が4月23日からスタートし、日本からは24名が出場予定。年齢もキャリアも幅広く、日本のピアノ界の層の厚さが感じられます。コンテスタントたちの演奏を早い時期から聴いてきた音楽評論家の道下京子さんに、各ピアニストの個性をプロフィールとともに教えていただきました。
2019年夏、息子が10歳を過ぎたのを機に海外へ行くのを再開。 1969年東京都大田区に生まれ、自然豊かな広島県の世羅高原で育つ。子どもの頃、ひよこ(のちにニワトリ)...
2025年3月4日、第19回ショパン国際ピアノコンクールの予備予選出場者の氏名が発表された。4月23日から始まる予備予選に出場する日本人参加者は24名。10代半ばの高校生から、著名な国際コンクール優勝者、そしてすでに世界の楽壇で活躍するピアニストも名を連ねており、日本のピアノ界の層の厚さを感じる。
直近の国際コンクール入賞が話題~西本裕矢、神原雅治、奥井紫麻
西本裕矢(にしもと・ゆうや)は、今年1月に開催されたショパン国際ピアノコンクールin Asiaで金賞、そして昨年には米国ショパン国際ピアノコンクールでも優勝し、ショパンに特化した2つの国際コンクールを制覇。3月にはエピナル国際ピアノコンクールでも優勝するなど、いまもっとも勢いのあるピアニストのひとりだ。1月のコンクールで聴いた彼のショパンは、生命力に満ちあふれていた。メロディをたっぷりと歌い上げ、《幻想ポロネーズ》では勇壮さと儚さを同時に描き上げ、聴く者の心を揺さぶった。
ロン=ティボー国際コンクール第4位を受賞した神原雅治(かんばら・まさはる)は2003年生まれで、名古屋音楽大学に在籍。2019年に全日本学生音楽コンクール高校生の部で第1位を受賞している。私が彼の演奏を聴いたのは、2022年仙台国際音楽コンクールのセミファイナルにおけるモーツァルト「ピアノ協奏曲第19番」。当時の使用楽器はカワイ。煌めくような輝きと透明感あふれるサウンドで、気品に満ちた演奏が心に残っている。作品の持ち味を誠実に表すタイプのピアニストだと思う。
そして、今年3月、ベルン国際ピアノコンクールで第2位を受賞した奥井紫麻(おくい・しお)。グネーシン特別音楽学校を卒業後、現在はジュネーヴ高等音楽院で研さんを積んでいる。言葉を語るように歌い上げるメロディや豊かなハーモニーの表現を通して、大胆でヴィヴィッドな音楽を聴かせてくれる。
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