2020.08.06
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」File.20
リコーダーの豊かな音色も木の香りも感じられる、アナログ盤で聴くブリュッヘン
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
つい先日、アナログ・プレーヤーを買いました。
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もともと家のリビングでレコードを聴くのは好きなのですが、念願の仕事部屋専用です。
LPレコードやカセットテープなどの人気が再び高まってきている、というのは数年前から言われておりましたが、最近かなり実感できるようになってきました。配信音源のサブスクリプションが元気になる一方で、CDショップのリアル店舗はかなり減ってしまいました。でも、レコード屋さんが密かに増えていたりしているのです。 クラシック音楽のLPも中古や新譜からいろいろ選べて楽しいです。
リコーダー奏者、指揮者として活躍し、オリジナル楽器の奏法や表現に多大な貢献を果たしたフランス・ブリュッヘン(1934〜2014)の、若き日のリコーダー・アルバムを何枚か持っています。サブスクで聴ける音源も何枚かありますが、個人的にはアナログ盤で真空管アンプを通して聴くリコーダーの音色にグッときます。素朴さの中の、豊かな音色のバリエーションが沁みてきます。
ブリュッヘンの演奏するテレマンの「ファンタジア」イ短調 TWV40 第1楽章
コンサートで聴く生のリコーダーの音、木の香りを感じながら拙いながらも自分で吹くリコーダーの音を、素直に思い出させてくれる気がします。
音源再生の仕方がいろいろと多様になりました。ジャンルや録音によって、「合う・合わない」「グッとくる・こない」みたいなことを耳で感じ取りながら、何を・どのメディアで・どんな機材を使って再生するか、自分の生活スタイルに心地よいところで選ぶのが、楽しいですね。
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