ワルシャワでショパンコンクールのパブリックビューイングに行ってみた
開催中の第19回ショパン国際ピアノコンクールのために、編集部員も現地入り。せっかくなので、いろいろな角度から現地の様子をお届けできればと思っていたところ、“パブリックビューイング的なもの”があるという情報を得たので、検証に行ってまいりました!
フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...
パブリックビューイングといえば、スポーツ観戦を思い浮かべると思いますが、それのコンクール版ってどんな感じなのでしょうか。お酒を片手に「このマズルカじゃ踊れないよ!」とヤジをとばすおじさんがいたりするのでしょうか。ドキドキしながら向かいました。
場所は、ワルシャワ市内の「Hala Koszyki(ハラ・コシュキ)」というフードコート。おしゃれなバーやカフェなどが集まるスポットで、楽しそうに飲んでいる人たちでにぎわっています。本当にここでパブリックビューイングがあるのだろうか? という雰囲気。
一応ショパンコンクールっぽい看板があるものの、どこにあるのかわからず、お酒を飲んでいる人々を横目にさまようこと数分……ピアノの音が聞こえてきました!
こちらが「ファンゾーン」と呼ばれているショパンコンクールを鑑賞できるスポットです。出入りは自由、大声でなければ話してもOK、そして、ワインやビールを片手に楽しんでもいいのです。黙ってじっくり鑑賞している人もいれば、子ども連れで、子どもに何かささやきながらゆったり過ごしている人も。
モニターは2つ設置され、椅子に座ったり、ヨ⚪︎ボーのようなクッションに寝そべったり、自由な雰囲気があります。
こちらのファンゾーンを運営しているのは、Julian Cochran FoundationというNPO法人。クラシック音楽を生活の一部として大切に思っている若い世代が集まって、クラシック音楽をより楽しんでもらえるような空間作りをはじめ、さまざまなイベントを企画しているそうです。
受付のお姉さんに聞いたところ、コンクールが始まってからすでに何度も訪れて顔馴染みになって一緒に楽しんでいる人もいたり、時には演奏について議論している人たちを見かけることもあるのだとか。「みんなレビューは口に出して言いたくなるものよね」と笑ってらっしゃいました。
ちなみにお隣のカップルは、チケット争奪戦に敗れたから、少しでもイベント感を楽しみたいと思って初めて来たそう。普段から音楽好きなお二人は、感想を言い合いながら聴いて楽しんでいました。お姉さんはなんと、公式グッズの靴下を履いていました!
ファンゾーン内では、公式カメラマンであるヴォイチェフ・グジェンジンスキさんの写真展も開催されています。私が座った席の横の柱にはチョ・ソンジンさんの写真が飾ってあり「ショパンコンクールな空間」にいる感じがしました。
さらに、DJがショパンからインスパイアされた音楽をセレクトするイベントや、ショパンの手紙の朗読、ショパンについて学べる講座なども予定されています。
そして、ファンゾーンは第3ステージ以降はワルシャワ以外の主要都市でも開催される予定だそうです。ますます盛り上がっていきそうですね。
ほどよい静けさ、ほどよい距離感、そしてほどよいゆるさ。音楽好きが集う、とても居心地のいい空間でした!
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