読みもの
2021.12.02
編集部日記 Vol.17

子ども&高齢者&アーティストが共に過ごす場づくりがしたい

和田響子
和田響子 「バンドジャーナル」編集長

埼玉県出身。DTPや自転車など専門誌の編集部を経て、音楽之友社に入社。2015〜2022年3月に編集部のWeb担当として、Webマガジン「ONTOMO」やオンラインシ...

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こんにちは、編集部のワダです。

ここ数年、心にもやもやと思い描いている夢があります。

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きっかけは、数年間、毎朝子どもたちに「今日学童~? え~早く迎えに来てよ?」と言われ続けていることと、リハビリ病院に入院した母を「老人ホームみたいだから退院させる」と言った父を目の当たりにしたこと。個別の事情はさて置き、子どもと高齢者は、似たような状況の人たちで集められがち、さらには我慢を強いてしまいがち、ということが共通しています。

誰しも自分の家で自由に過ごす権利があるとしたら、家族のそれが奪われている件数は、働きに出る女性が増えたことにより、きっと増えていますよね(もちろん、同じ境遇でも、楽しく心健やかに過ごしている人もいますけれど)。

そこで、私が思いついたのが、この分断させられがちな子どもと高齢者の施設、そしてアーティストの居場所を同じ敷地内に置き、ゆるやかにつながらないか、ということです。

子どもと高齢者が交流することのメリットは、よく語られているように思いますので、ここでは省きますが、音楽家や絵描き、パフォーマーが近くで過ごし、活動してくれるだけで、「せねばならぬ」ことだけに追われず、楽しみや刺激が生まれる場所になるのでは? と勝手に妄想しています。

建築家の安藤忠雄さんが、とある動画で「子どものとき、一心不乱に仕事をしている大工さんを見て、かっこいいと思った」と話していましたが、アーティストが自分の作品を一心不乱に創る、そのかっこよさは子どもにも見せたいし、時にはワークショップを開いてくれたら、クリエイティブな時間がもてるし、自分の身体や感覚に意識を向けられて、脳が活性化しそう。

分断していたほうが安全管理やサポートはしやすいでしょうから、つながる部分をつくることでの運用面のハードルはあるのだろうと思いますが、自分の老後を豊かに幸せに過ごすためにも、何か進められないかと悶々と策を考えています。

そして先日、これについてご意見をいただく機会を得ました。

連載をしていただいているソプラノ歌手・田中彩子さんと、その対談のゲストで、マーケットデザインが専門の経済学者、小島武仁さんです。田中さんにチラッと話したら面白がっていただき、小島さんとの対談でも、話題に出してくださいました。「マッチング×音楽」の話の一つではありますが、記事と動画にしていますので、ぜひご覧ください。

田中彩子の対談連載「明日へのレジリエンス」Vol.10 ダイジェスト動画と記事リンク

和田響子
和田響子 「バンドジャーナル」編集長

埼玉県出身。DTPや自転車など専門誌の編集部を経て、音楽之友社に入社。2015〜2022年3月に編集部のWeb担当として、Webマガジン「ONTOMO」やオンラインシ...

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