日めくりオントモ語録/ウラディミール・トロップ

読みもの
2018.05.04

演奏家にとって自分の国で演奏できないのは良いことではありません。しかし、一方で良い面もあって、ロシアの伝統を世界中に広めています。

――ウラディミール・トロップ「ムジカノーヴァ」5月号より

ソ連崩壊後、国からの経済的なサポートがなく、ロシア中で演奏してまわることが不可能となり、良い人材はロシアを捨てて、国外へ……。しかし、悲観するだけではなく、強い想いを感じる一言。経済的なサポートはなくとも、トロップは今も手厚く教育をしている。「生徒と教師の距離は非常に近く、教師は第二の父親、第二の母親となって、生徒を家に住まわせることもあります。生徒は一人の先生にずっと習い、育っていきます」と才能に対して丁寧に扱う変わらない教育方針について語った。

ウラディミール・トロップ(1939~)

1939年、モスクワ生まれ。グネーシン音楽学校でモイセイ・フェイギンに、グネーシン音楽大学ではゲンリヒ・ネイガウスの高弟テオドール・グートマンに師事。70年、ブカレストのジョルジュ・エネスコ国際コンクールに入賞。学生時代からリサイタルを行い、オーケストラとの共演も多い。ヨーロッパ各国、アメリカ、日本など海外での演奏やマスタークラスも行っている。また、国際コンクールの審査員として招かれることも多い。特にチャイコフスキー、スクリャービン、ラフマニノフ、メトネルなどの研究科としても知られ、その演奏でも高い評価を受けている。放送録音やアルバム録音も多く、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキー、スクリャービン、ラフマニノフ、メトネルなどの作品がある。また、20世紀の名演奏家についてのラジオ番組制作も手がけている。現在、グネーシン音楽大学教授、モスクワ音楽院教授。

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