インターネットと音楽についての法律相談室#5 演奏してみた系動画の著作権はOK?
YouTube、SNS、ブログなどで自由に表現ができるようになった昨今。それに伴い、著作権への関心も高まっています。
本連載では、インターネットと音楽についての著作権や関連する法律についての初心者向けの基礎知識を、アート関連のスペシャリストが集まった骨董通り法律事務所の弁護士・橋本阿友子さんに教えていただきます。
今回は写真や動画の背景に映り込む物がどこまでOKなのか、さらにYouTuberやTik Tokerが気になるJASRAC等の管理楽曲の扱い方について、お話を伺いました。
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
写真や動画の背景に写り込んでしまった建築物や美術品はSNSにアップしても大丈夫?
――自分で撮った風景写真や動画をSNSにアップするときに、そこにスカイツリーや東京タワーのような有名な建築物が写り込んでしまっていたら、建築物の所有者や作者の側には何らかの著作権は発生するのですか?
誰もが通れる道路にある現代美術作品などの、屋外に恒常的に設置されている美術品と、建築の著作物については、撮影しても特に問題はありません。
――以前、出版物に建物をイラスト化して掲載したいと、その建物を所有している企業側に確認をとったら、申請書を提出してほしいと言われたという話を聞きました。
申請書の内容次第ではありますが、所有者があたかも著作権法上の権利があるかのように振る舞い、許諾を求めてくるケースもあるようです。「法的根拠はまったくないか、せいぜいがひじょうに怪しいものなのに、まるで法的権利があるように関係者が振る舞っている場面」を、弊所所長の福井健策氏が「疑似著作権」と命名しています。
――面白い言葉ですね。
言い得て妙といいますか、ひじょうにキャッチーなワードだと思います。
関連する記事
-
小澤征爾を指揮者へ導いたピアニスト豊増昇~二人の家族が語る師弟の絆
-
《ユグノー教徒》~聖バルテルミーの大虐殺が背景のオペラ 黒幕の王妃はなぜ消えた?
-
新国立劇場とメズム東京が初コラボ オペラ『魔笛』ディナープログラムが11/1スタ...
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly