多彩なプロジェクトで魅せる! いずみホールを軸に大阪を満喫
1990年のオープン以来、古楽器、オルガンから現代音楽まで多彩な音楽を盛り込んだプロジェクトで大阪市民だけでなく、全国の音楽ファンから注目される、いずみホール。川をはさんだ反対側は大阪城公園という絶好のロケーションで楽しむ音楽のひとときを企画部 課長代理 広報編集グループリーダーの北嶋優さんと企画部 課長代理 事業制作グループリーダーの梅垣香織さんに紹介していただいた。
1962年東京生れ。ヴァイオリンを学ぶ。ドイツ文学、西洋音楽史を専攻。ウィーンに留学。 多彩な執筆、講演活動のほか、1993年からNHK、日本テレビ、WOWOW、クラ...
大阪随一のビジネス街を彩る音楽ホール
鮮やかなバロックから今をときめくコンテンポラリーまで。時空を超えた楽の音が舞う「いずみホール」は、水と緑、歴史的景観に恵まれたビジネス街、OBPこと大阪ビジネスパークの一角に建つ。
一角に建つ、などという常套句ではなく、OBPに豊かな彩りを添える、極めて愛すべき音楽ホールと記すのが正しい。
JR大阪環状線大阪城公園駅から近いが、京阪の京橋駅、地下鉄大阪ビジネスパーク駅も、もちろん使える。
ゆったりとした座席でリサイタルからオペラまで楽しめる
オープンは1990年4月。伝統と格式を誇るウィーンのムジークフェライン(楽友協会)大ホールからヒントを得たシューボックス(縦長のくつ箱)の構造が美しい。豊饒な音響については、声高に申すまでもない。
座席数は821。1000人収容可能なスペースに約800の席を設けた。だからとても余裕がある。オーケストラから多彩な室内楽、各種リサイタル、演出を伴ったコンサート形式のオペラまで、いずみホールの得意科目は多い。
正面のパイプオルガンに目がいく。フランスはアルザスのオルガンメーカー、ケーニヒ社製のパイプオルガンで、3623本のパイプ、46のストップ(音色を創る音栓)をもつ。
このパイプオルガンを生かした企画が、いずみホールの顔のひとつとなっている。もうひとつ、ナネッテ・シュトライヒャー製のフォルテピアノもホールの財産だ。
魅力的なプロジェクトで通年楽しめる多彩な演目
ホールオープンの1990年から2018年まで、バッハ研究の泰斗(たいと)で音楽評論家、国立音楽大学教授も務めた礒山雅(1946〜2018)がディレクターに就任し、バロックからコンテンポラリーまで創造の喜びを分かち合う、いずみホールの方向性が明確になった。
今、いずみホールの華と言えば、オペラや舞踏も交えた「古楽最前線! 躍動するバロック」シリーズだ。内外のトップアーティストが織り成す、まさに躍動するバロックを体感したいものである。
ホールと、バッハ・アルヒーフ・ライプツィヒ共同企画による「バッハ・オルガン作品全曲演奏会」は、2019年3月で最終回を迎えた。
「お客様からたくさんの継続希望をいただきました。もう一度聴きたい演奏家のアンケートも実施しました」と語る企画部 課長代理 広報編集グループリーダーの北嶋優さんと、企画部 課長代理 事業制作グループリーダーの梅垣香織さん。期待に応えて企画されたアンコール公演は、今年と来年、それぞれ2回ずつ開催される。
関西の優れた演奏家が顔を揃えた〈いずみシンフォニエッタ大阪〉を主役とした「新・音楽の未来への旅シリーズ」。それに岡田暁生企画・構成・お話の「ランチタイム・コンサート」がまた人気だ。
要するに、いずみホールの企画はどれも素敵なのだが、近いところでは、クラリネットの小谷口直子と仲間たちによる6月の「ランチタイム・コンサート」と、7月の三ツ橋敬子指揮いずみシンフォニエッタ大阪、ハープ篠﨑和子による「新・音楽の未来への旅シリーズ」いずみシンフォニエッタ大阪 第42回定期演奏会が楽しみ。
10月以降は「古楽最前線」4公演に足を運ぶというのが、正しいいずみホールの味わいかたなのではないか。
鑑賞前後は大阪が誇るグルメも忘れずに
開演前後は隣接するホテルニューオータニ大阪のカフェ・ラウンジにバー、多彩なレストランを有効利用したい。
開演前、休憩時間ならば、3年前にリニューアルした、いずみホールのバー・コーナーもお忘れなく。スペイン産の白ワイン、イタリアの赤ワイン、スパークリングワイン、大阪元町のカツサンド、マフィンとドリンクのセットを未体験の方、勿体ないです。
企画・構成、お話: 岡田暁生
日時: 2019年6月10日(月)11:30開演
出演: 小谷口直子(クラリネット)、土居知子(ピアノ)、杉江洋子(ヴァイオリン)、野田明斗子(ヴァイオリン)、丸山 緑(ヴィオラ)、上森祥平(チェロ)
曲目: モーツァルト/歌劇《魔笛》より「なんと美しい絵姿」
ウェーバー/歌劇《魔弾の射手》より「静かに、静かに、敬虔なる旋律よ」
プッチーニ/歌劇《トスカ》より「星は光りぬ」 ほか
詳細はこちら
日時: 2019年9月18日(水)11:30開演
日時: 2019年12月18日(水)11:30開演
日時: 2019年7月6日(土)16:00開演
出演: 三ツ橋敬子(指揮)、篠﨑和子(ハープ)、いずみシンフォニエッタ大阪(管弦楽)
曲目: トゥリーナ/「闘牛士の祈り」op.34
薮田翔一/ハープ協奏曲《祈りの樹》(関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト第7弾)
ストラヴィンスキー:プルチネルラ組曲
ラヴェル(マイケル・ラウンド編)/クープランの墓
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日時: 2020年2月8日(土)16:00開演
出演: 飯森範親(指揮)、望月哲也(テノール)、大西宇宙(バリトン)、いずみシンフォニエッタ大阪(管弦楽)
曲目: 中村滋延/《善と悪の果てしなき闘い 第一章》
マーラー(川島素晴編)/《大地の歌》
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日時: 2019年8月29日(木)19:00開演
出演: アルフィート・ガスト(オルガン)
日時: 2020年2月22日(土)
出演: 小糸恵(オルガン)
日時: 2019年10月12日(土)16:00開演
出演: ウィリアム・クリスティ(指揮、音楽監督)、エマニュエル・デ・ネグリ(ソプラノ)、キャスリーン・ワトソン(ソプラノ)、ティム・ミード(アルト=カウンターテナー)、ジェームズ・ウェイ(テノール)、パドライク・ローワン(バス)
曲目: ヘンデル/オラトリオ《メサイア》(全曲)※字幕付き
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日時: 2019年10月24日(木)
出演: ピエール・アンタイ(チェンバロ)
曲目: ラモー/《クラヴサン小曲集》より アルマンド、クーラント、内気、三つの手、サラバンド、懐中時計、ジーグとロンド
スカルラッティ/《5つのソナタ》
ヘンデル/“ボートンハウスの自筆譜”より 組曲ニ短調 ほか
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(いずみホールオペラ2019)
日時: 2019年12月14日(土)14:00開演
出演: 寺神戸 亮(バロック・ヴァイオリン、プロデューサー)、岩田達宗(演出)、小㞍健太(振付)、レ・ボレアード(管弦楽)、鈴木美紀子(ソプラノ)、松本更紗(バロックダンス)、酒井はな(コンテンポラリー・ダンス) ほか
曲目: PartⅠ リュリ/《アティス》、《町人貴族》、《アルミード》より 舞踏音楽
PartⅡ ラモー/《ピグマリオン》 ※字幕付き
詳細はこちら
日時: 2020年3月11日(水)19:00開演
出演: アマンディーヌ・ベイエ(バロック・ヴァイオリン)、リ・インコーニティ(古楽アンサンブル)
曲目: A.ヴィヴァルディ/歌劇《オリンピアーデ》より シンフォニア ハ長調 RV725
チェロ協奏曲 イ短調 RV421
ヴァイオリンとオルガンのための協奏曲 ト短調 RV517
ヴァイオリン協奏曲集 《四季》op.8
詳細はこちら
問い合わせ: いずみホール チケットセンター Tel.06-6944-1188
会場:いずみホール
[運営]一般財団法人 住友生命福祉文化財団 いずみホール事業局
[座席数]大ホール 821席
[オープン]1990年
〒540-0001 大阪府大阪市中央区城見1-4-70
[問い合わせ]Tel.06-6944-2828(代表)
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