ショスタコーヴィチ「死ぬほど君が好きだ」〜音楽祭で通訳をした女性に書いた手紙
大作曲家たちも、恋に落ち、その想いを時にはロマンティックに、時には赤裸々に語ってしまいました。手紙の中から恋愛を語っている箇所を紹介する、作曲家にとってはちょっと恥ずかしい連載。
第6回は、ショスタコーヴィチによる熱烈な恋文を紹介します! 旅行中に毎日欠かさず手紙を書いていた相手とは……?
ショスタコーヴィチをはじめとするロシア・ソ連音楽、マーラーなどの後期ロマン派音楽を中心に、『レコード芸術』『CDジャーナル』『音楽現代』誌、京都市交響楽団などの演奏会...
愛しいリャーリャ。
モスクワを出発してからもう二日目に入ります。(中略) 汽車の旅は退屈です。退屈なのは一人旅なのと、
リャーリャがいないから。 ぼくと一緒にバクー行きを説得すべきでした。万が一、 君に断られた場合でも力ずくで連れてくるべきでした。 なにしろぼくたちは強い情熱と嵐のような行動の時を生きているの ですから……。(中略)
君はぼくの人生にまるで晴天の霹靂のように現れた。 ぼくは死ぬほど君が好きだ。君なしでは生きられない。 リャーリャ、ぼくを待っていてほしい。ぼくはじきに戻る。 すべての問題を一緒に解決しよう。つよくキスしています。 1934年6月15日
『驚くべきショスタコーヴィチ』 ソフィア・ヘーントヴァ著、亀山郁夫訳より
通訳の女性と恋に落ちたショスタコーヴィチ(27歳・既婚)
熱烈なラブレターだ。書いたのは27歳のドミトリー・
ショスタコーヴィチとエレーナは、
外国語が苦手だったショスタコーヴィチは、
ショスタコーヴィチ:組曲《黄金時代》
マクシム・ショスタコーヴィチ指揮 ボリショイ劇場オーケストラ
音楽祭にはディミトリ・ミトロプーロスがソ連を訪れて〈
あれ、1934年といえば、
だがショスタコーヴィチはこの旅行中、ほぼ毎日(
ところが、優柔不断な性格だったショスタコーヴィチは、
エレーナのその後と「交響曲第5番」
それからまもない1936年1月28日、『プラウダ』紙に、「
エレーナはその後、内戦の始まったスペインにわたり、
ショスタコーヴィチ:歌劇《ムツェンスクのマクベス夫人》第1幕第3場
チョン・ミョンフン指揮
『プラウダ』紙に出たこの作品を批判する論説によって、
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番~第4楽章
ムラヴィンスキー指揮
楽章の最後に252回にわたって鳴る「ラ」の音は、
ショスタコーヴィチ:劇音楽《スペインに敬礼》~ロジータの歌
ショスタコーヴィチは交響曲第5番の直前、
ところで、2019年に、
昔の人を現在の倫理観で判断するのは良くないとかいう意見をあえ
『驚くべきショスタコーヴィチ』ソフィア・ヘーントヴァ著、亀山郁夫訳(筑摩書房、1997)『ショスタコーヴィチの生涯』ローレル・E・ファーイ著、藤岡啓介・佐々木千恵訳(アルファベータ、2005)
The Cambridge Companion to Shostakovich, Pauline Fairclough and David Fanning, Cambridge University Press, 2008
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