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2025.03.05
名曲解説100

30秒でわかるラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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名ピアニストでもあったロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)は、ロシア的な特質とピアノの名技性を併せ持つピアノ曲を数多く生み出しました。ピアノ協奏曲も4曲残しており、なかでもこの第2番はとりわけ人気が高い名曲です。

ピアニストとしてロンドンで成功を収めた折に、当地の団体から作品を依頼されたことが創作のきっかけとなったといわれていますが、当時の彼は作曲面ではスランプ状態にあり、筆がなかなか進みませんでした。そうした彼を救ったのが精神科医ダーリ博士で、博士の暗示療法によって作曲への自信を取り戻し、1901年にこの協奏曲を完成させたという有名なエピソードが残されています(ただし最近の研究ではこの話には誇張と作り話が入り混じっているとする見方もなされています)。

初演は大成功で、この作品で彼は、作曲家としての名声を不動のものとしたのでした。第1楽章はロシアの鐘の響きを思わせるピアノ独奏の重い和音で開始され、暗い情熱に満ちた発展が繰り広げられます。第2楽章は甘美な情感に満ちた緩徐楽章ですが、中間部では動きが速まります。第3楽章は力感に満ちた主要主題と息長く歌われる副主題が劇的な展開を生み出すフィナーレです。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18

作曲年: 1898(?)~01年

演奏時間: 約35分

編成: フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1、ティンパニ、大太鼓、シンバル、弦5部、独奏ピアノ

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1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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